クロスプロレス ― 2018年07月01日 06時49分
といってもフィルム写真のことではなく、あくまでNik Collectionによる加工。
デジタルカメラが一般化して早十数年。
職場なんかで写真の話をしていると、フィルムはきれいに撮れない、というイメージが徐々に浸透していて、フィルム写真は逆にそれを楽しむツール、ということらしい。
違うんだよなぁ…。
だって、ほんの十数年前までフィルム写真が主力で、その頃の写真って、そんなにノスタルジックでした? んなことないですよね。
写真としてのクオリティは、印刷技術云々は別として、色がおかしいとか周辺減光しているとか粒子が荒すぎるとか…まあ高感度フィルムに増刊処理後だと粒子は粗いけど。
もちろん、普通のきれいな写真はデジタルで撮れるので、求められているのが、そういった"個性的"な写真なのは致し方ないのでしょうが。
でもそんな写真もデジタルで加工できてしまうわけで、この写真はクリスプロセス処理だけですが、これに周辺減光だの傷だの粒状感だのを与えたら、はっきり言ってフィルム写真と言われても見分けはつきにくいでしょう。
デジタル加工も、今はスマホアプリでできてしまう時代、単にノスタルジックなフィルムは、飽きられてしまうんじゃないかな?
個人的には、デジタルでは得られないもの、リバーサルフィルムがオススメです。ディスプレイではなくフィルム原盤で鑑賞できるのは、デジタルでは得難い体験と思うんですけどね。
デジタルカメラが一般化して早十数年。
職場なんかで写真の話をしていると、フィルムはきれいに撮れない、というイメージが徐々に浸透していて、フィルム写真は逆にそれを楽しむツール、ということらしい。
違うんだよなぁ…。
だって、ほんの十数年前までフィルム写真が主力で、その頃の写真って、そんなにノスタルジックでした? んなことないですよね。
写真としてのクオリティは、印刷技術云々は別として、色がおかしいとか周辺減光しているとか粒子が荒すぎるとか…まあ高感度フィルムに増刊処理後だと粒子は粗いけど。
もちろん、普通のきれいな写真はデジタルで撮れるので、求められているのが、そういった"個性的"な写真なのは致し方ないのでしょうが。
でもそんな写真もデジタルで加工できてしまうわけで、この写真はクリスプロセス処理だけですが、これに周辺減光だの傷だの粒状感だのを与えたら、はっきり言ってフィルム写真と言われても見分けはつきにくいでしょう。
デジタル加工も、今はスマホアプリでできてしまう時代、単にノスタルジックなフィルムは、飽きられてしまうんじゃないかな?
個人的には、デジタルでは得られないもの、リバーサルフィルムがオススメです。ディスプレイではなくフィルム原盤で鑑賞できるのは、デジタルでは得難い体験と思うんですけどね。
光が丘公園で1日遊んだ ― 2018年07月02日 06時32分
家族で1日、練馬の光が丘公園で遊んできました。
7月に入り、もう本格的な夏到来、蒸し暑いですね。
日差しが眩しい。日陰が心地よい。
あまりにも暑いので、まずはかき氷を。
でもって水遊びしてきましたが、水がぬるく感じるくらいです。
あとかなり混んでいる。都内なので仕方ないですが、こういう水遊びができる場所は、地方の方が当然ながら混まなくて良い感じです。
バシャっと、水をかけられるのはわかっていたので、重いですが防滴のNikon D850にAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの組み合わせ。撮影するYamaroとカメラは割とずぶ濡れです(笑
お昼は、公園内のレストラン「われもこう」で。
車ではないので、アルコールをいただきました。
このレストランは、障害者支援をしていて、同じく障害者を多く雇っている、栃木のココファームワイナリーのワインを置いています。お試しセットで、白・赤・ロゼをいただきました。どれも軽いテイストで、この暑い時期にぴったりです。
絞り開放で。標準ズームレンズでこのボケ味はなかなかありません。あざらしさんの設計、お見事。
夕方まで遊んで疲れました。
さあ今週もさっさと仕事終わらずぞ。
SILKYPIX Developer Studio 6期間限定ライセンス無料公開 ― 2018年07月04日 06時17分
市川ソフトラボラトリーが30周年記念ということで、18年9月2日まで、現行の2世代前となりますが、RAW現像ソフトのSILKYPIX Developer Studio 6が期間限定でライセンス無料公開されています。
Ver6が最終更新されたのは、2016年の5月ということで、それ以降に発売されたカメラには対応しません。
Yamaroの手持ちのカメラでは、Nikon D850やPanasonic DMC-GX7MK2は非対応となります。
が、D810は対応しますし、それ以前に使っていたカメラのRAW現像には対応できるため、せっかくなので入れてみることにしました。
ちなみに、Panasonic GX7MK2には、SILKYPIXの機種限定版である、SILKYPIX Developer Studio 4.4SEが無料で使えます。
2007年3月、埼玉は白岩廃集落に出向いたときの写真、当時はメインはフィルムのF90Xsで、サブでCOOLPIX5400(E5400)を使っていた時代です。
COOLPIX5400は、ファームウェアVer1.4でRAW撮影に対応しました。
ただ、当時のCOOLPIXはただでさえAF合わない、レスポンスとろいだったのに、更にRAWで撮影すると、1枚撮影ごとに書き込みに10秒程度かかっていたため、あまりRAWで撮ることはなかったですね。当時はRAW現像ソフトも持っていなかったですし。
そして、COOLPIX5400のRAWファイルは、Nikon純正のCapture NX-Dで現像しても、調整できる項目は極めて限られます。
当時はピクチャーコントロールもまだなかったですし、単純に色調やホワイトバランス程度しか変更できません。
さてそれをSILKYPIXで現像するとどうなるか?
わ、画面がCapture NX-Dに似ている! というか、こちらが本家ですね。
Capture NX-DがSILKYPIXベースと言われているのがよくわかります。
使い勝手も似ていますし、このVer6がCapture NX-Dのベースなんでしょうか?
市販RAW現像ソフトだなぁと思うのが、ちゃんとオリジナルのカラー設定が出来ることで、これはGX7MK2のVer4.4と同じ感じです。
例えば色表現は「フィルム調V2」(多分Velviaを意識している)とかが設定できるので、Capture NX-Dよりいじりしろが大きいです。
何せ、まだまともな液晶が出始めた頃で、まだCRTの時代、キャリブレーションも今のような専用システムはまだ殆どなかったので、今見ると色調が変なものもありますが、RAW現像ソフトで、そういった色調も整えられます。
ああ、あの頃もう少しRAWで撮ればなぁ。
こちらはCapture NX-Dで開いた場合。
カラー設定はグレーアウト、輪郭とか階調とか彩度を少しいじれる程度です。LCHとかトーンカーブは調整可能ですけどね。
課金制なLightroomはあまり使いたくないし、その他の市販やフリーのRAW現像ソフトはいろいろ試してみたいですね。
Capture Oneとか、RawTherappeとか。
【高千代酒造】たかちよ 純米無調整生原酒 雄町おりがらみ ― 2018年07月05日 06時44分
Googleドライブが異常に容量を食っていたので対処 ― 2018年07月06日 06時44分
ここ最近、Gmailが来ない、あるいはNASからのGmailへ飛ばす警告メールが飛んでこない、おかしいなとは思っていたのですが、確認してみると、FGoogleドライブの容量が、無料の15GBをオーバーし、60GB以上消費していることが判明しました。
私は、写真と動画ファイルを、Googleフォトに自動で転送するようにしていて、そのデータは「高画質(無料、容量無制限)」に設定しています。
GoogleドライブはGoogleフォトと連動しているため、「新たに追加された写真と動画をGoogleフォトにアップロード」にチェックを入れていれば、写真(JPGとRAWファイル)と動画は、自動でGoogleフォトにアップロードされ、その分の容量は0バイトカウント、つまりGoogleドライブの容量は使用されないということになります。
そして、画像フォルダ(動画も含んでいますが)のみ、同期するように設定していました。
ところが、それなのに60GBを超える容量をGoogleドライブが消費している! そのせいで、Gmailも受信できなくなっていました。GmailもGoogleドライブの容量としてカウントされるため、Googleドライブの容量オーバー状態では、受信できなくなるようです。
さてGoogleドライブの容量を食っているファイルはどれだ!? 調べてみると、こいつでした↓
拡張子nksc、これはNikonのRAW現像ソフト、Capture NX-DのRAW現像時の調整パラメータファイルです。
現像した場合に、その調整した項目を残すためのファイルです。
Capture NX-Dは、それまでのCapture NX2と異なり、SILKYPIXベースとなったため、RAWデータも非破壊編集、つまり元の「」RAWデータに編集は一切加えず、サイドカー方式と呼ばれる、個別のファイルに編集データを書き込む方式に変わりました。
1つのファイルは21kBと小さいですが、何せ塵も積もれば山となります、これが延々Googleドライブにアップロードされていたようです。
これ以外には、昔フィルムスキャンした際にPhotoshop形式で保存していたので、.psdファイルもいくつか。あとは画像とも動画とも関係のないファイル類でした。
それらを消去し、アップロードしない拡張子に、この調整パラメータファイルの拡張子を入力しておきました。
これで、使用容量は無料の範囲内を確保できました。
皆様も、GoogleフォトやGoogleドライブを使う際は、自動アップロードされるファイルに十分お気をつけください。
ニコンミュージアム企画展「ニコン双眼鏡100年の歴史」を見てきた1 ― 2018年07月07日 07時20分
2018年7月3日から9月29日まで、品川のニコンミュージアムにて「ニコン双眼鏡100年の歴史」と題した展示が始まりましたので、ちょうど平日の休み、かつ天気も雨で飛行機も撮りに行けないので、行ってみることにしました。
雨ですが、こんな日こそゆっくり博物館見学ですね。
着きました。
入り口には、各年代のファッションと、その年代のニコン双眼鏡。
おしゃれな女性は、おしゃれな双眼鏡をお持ちなのです。
それでは展示を見ていきましょう。
1910年代から現代までの双眼鏡が展示されています。
もちろん、非常に貴重な歴史的価値の高いものも多く展示されています。
自分も知りませんでしたが、ニコンの前身の日本光学工業創立以前に、藤井レンズ製造所というところで、光学製品が製造されていたとのこと。創設者は海軍技師の藤井龍蔵氏。その藤井レンズ製造所が、日本光学工業創立にあたり、1社に統合、なるほど、日本光学と海軍との結びつきは、そういうことなのですね。
陸のトーコー(東京光学・トプコン)、海のニッコー(日本光学・ニコン)と言われる所以です。
当然全部は紹介できませんので、関東圏の方は足をお運びいただき、行けない方にいくつかピックアップしてご紹介します。
私は双眼鏡に関しては全くの無知なので、詳しい解説はできませんが…。
これが藤井レンズ製造所の、国産初でもある市販双眼鏡第1号、「VICTOR 8X20」。100年以上も前、すでに双眼鏡のイメージ通りのデザインで製品化されていたのです。個人所蔵、よくこれを維持されていました。もしかしたら、まだどこかの古い蔵に眠っているかもしれません。
1917年に創立した日本光学工業、その歴史の中で外せないのがこのMIKRON 6X15(IF)でしょう。
非常にコンパクトな双眼鏡として、1921年に発売されました。驚くべきことに、途中販売終了したものの、復活して改良版が現代でも販売されているのです。
100年近く前の製品が、改良されて今も販売されているとは、驚愕に値します。
1938年の対空望遠鏡 10X60、天体観測用かな。この時代には既に日本の光学技術は相当なもので、光学先進国のドイツにも負けない製品が作られるようになっていたそうで、こうした双眼鏡、望遠鏡と言った光学製品の品質の良さが、逆に電探、つまりレーダーの開発を遅らせたとも言われています。
1930年代までの貴重な双眼鏡たち。写真機より前に、こうした双眼鏡が製造販売されていました。
双眼鏡は、当然ながら軍事分野とも結びついていきます。また、船乗りには現代でも双眼鏡は欠かせませんね。
そして、目玉展示の1つ、世界最大級の25センチ双眼望遠鏡が、なんと50年ぶりに一般公開となりました。
冒頭の全体写真の中央に写っていた超大型の双眼望遠鏡です。
見てくださいこのスケールの大きさ! これが双眼鏡なのです。
接眼レンズの交換で、最大250倍もの倍率を誇ります。陸上監視用として条件が良ければ70km先の集団行動、20m先の個人行動が確認できる、とされています。恐るべき双眼鏡です。
これが単眼望遠鏡ではなく、双眼望遠鏡というところに注目してください。単眼と違い、双眼鏡の場合、左右の精度が少しでもずれると、立体的に像を見ることが出来ません。それがこれだけの高倍率ともなると、ほんの僅かな狂いが影響してきます。
”光学ガラスの製造からレンズ研磨、組立調整まで想像を超える困難を要した”とあるのも頷けます。
まさに、世界的遺産であり、このような双眼鏡が、1939年に製造されていたのです。
以上、1930年代までの紹介となりましたが、もうここだけでもお腹いっぱいですね。
ですが、次回、更に歴史的価値の極めて高い双眼鏡が登場します。今日はここまで。
ニコンミュージアム企画展「ニコン双眼鏡100年の歴史」を見てきた2 ― 2018年07月08日 12時45分
前回の続きです。
初っ端から興奮してしまいましたが、このあと大物登場です。
こちらは1940年代の双眼鏡です。
第二次世界大戦、太平洋戦争中にも、きちんと製品開発され、販売されていたようです。
それでも戦争末期はいろいろ部材が手に入らなかったのではないでしょうか? とはいえ、双眼鏡は軍事分野でも偵察や測距などで使用するため、製品もきちんと開発されていたことが伺えます。
戦後すぐの製品もあります。本格的にカメラ参入する以前に、まずは双眼鏡を販売することに力を入れていたのでしょう。
では今回の目玉展示のご紹介。
これは大変貴重な展示です。滅多にお目にかかれない代物です。
製造は1937年で、30年代に戻ってしまいますが、軍事用途の双眼鏡として、歴史的価値の非常に高いものです。
なんと、旧海軍の潜水艦の甲板に搭載されていた双眼望遠鏡です。
水深100mの水圧にも耐えるため、分厚い鋳物の筐体に収められています。対物レンズ側には耐圧の分厚いガラスが入っているそうです。
修理のために船体から外されて、ニコンに長期保管されていた、すごいです、こんなものがちゃんと保管されているとは。
どの潜水艦から取り外したものかはわかりません。もしご存知の方がいらっしゃいましたら、コメントに書き込んできただければと思います。
対物レンズと蓋です。確かに、水深100mに耐えられそうな分厚いレンズです。
ちなみに、水深100mと一口に言っても、潜水艦搭載型なわけですから、当然水中で動きます。
ただ海水の100mの深さに沈むだけでなく、動くわけですから、沈めているだけよりも余計に、つまり10気圧をゆうに超える圧力がかかりますし、もちろんある程度の余裕を見越しているわけですから、この双眼望遠鏡は、相当な水圧に耐えられる構造なのでしょう。
筐体の上にはネジ止めされた蓋があり、乾燥剤と書かれています。
水に浸かるものですし、浮上状態と潜航状態では温度やかかる圧力も違うでしょうから、結露を防ぐために乾燥剤は不可欠なのでしょう。
なお、現代でも、こうした気密が保たれる場所に乾燥剤は入っていたりします。例えば車のヘッドライトユニットなんかにも入っている場合があります。
接眼部と、その蓋です。
接眼レンズ自体は耐圧構造ではないようで、潜航する際には上にある蓋を閉じるのでしょう。
接眼部の遮光ゴムは流石に経年劣化しています。
蓋に銘板が入っているのでクローズアップしてみましょう。
銘板には「九七式十二糎双眼望遠鏡」と書かれており、旧軍の97式とは零式艦上戦闘機の0式と同じように、皇紀表示(皇紀2597年)なので、西暦に変換すると1937年となり、この双眼鏡が1937年に正式化されたものとわかります。
その下の305は恐らく製造番号、更に下には19年、10月と読める表記があり、これが製造年月かもしれません。
昭和19年(1944年)10月製造だとすると、太平洋戦争も泥沼化した時期の製造に当たります。
旧海軍の潜水艦は、撃沈されたものが大半で、終戦時に生き残ったものも、連合軍によって処分、または戦後賠償として他国に引き渡されたりして、現存するものはなく、この双眼望遠鏡は大変貴重なものです。
よくぞひっそり保管しておいてくれました。感謝感激です。
もう次の公開はいつになるかわかりません。ぜひともこの貴重な双眼鏡を生で見てください。
ここからは1950年代以降の双眼鏡を。
50年代に入ると、戦後の混乱期から、朝鮮戦争の戦争特需により、日本の景気も少しづつ良くなります。
左下には、おなじみのMIKRONがありますが、その他の中型の双眼鏡も、ここにあるように、一部はMIKRONを名乗っていたようで、ちょっと混乱します。
逆に言うと、それほどNikonにおける双眼鏡のMIKRONという名前は価値があったのでしょうね。
上は1960年代から70年代の双眼鏡です。
この時代になると、高度経済成長に伴い、一般ユーザー向けの双眼鏡も多く出回るようになりました。
デザインも、従来の双眼鏡然した黒いものだけでなく、シルバーなどまだ色合いは地味ですが、従来のイメージにはない商品も出回り始めました。同時に、ダハミラーを使用し、光路を一直線とした幅の狭いコンパクトな双眼鏡も70年代に登場しています。
さて、今回はここまで。
次回はバブル期に突入する80年代以降の双眼鏡を紹介します。
ニコンミュージアム企画展「ニコン双眼鏡100年の歴史」を見てきた3 ― 2018年07月09日 06時30分
長々とお付き合いいただいているニコン双眼鏡の歴史です。
1980年代です。
この時代になると、日本はバブル期に突入し、経済的にも豊かになりました。
よりカラフルでプラスチッキーな(笑)製品も出回り始め、赤い双眼鏡なんてのは、当時流行った赤いダブルラジカセを彷彿とさせる赤ですね。
従来からのデザインの双眼鏡もあれば、MIKRON以外のコンパクトなものもあり、かといえば防水重視のものなど、この時代は商品も多様性が出てくるようになりました。
遊(YU)6X15 CFは、いかにも80年代なデザインと色ですね。
こうした遊び心のある商品も多く出たのも、景気が良かったからでしょうね。
こちらも、いかにも80年代を感じさせるフォント、そしてカラーとデザインです。無骨でもなく、MIKRONのような緻密さと気品があるわけでもない、どことなく漂うチープ感がまた80年代のこうした商品です。
こちらは、よく景色の良い場所に行くと、コイン入れるタイプの望遠鏡があったかと思いますが、そういった用途でもおなじみの据え置き型双眼望遠鏡、「大型双眼望遠鏡 20X120(III型)」で、1983年の製品です。
時代はバブル崩壊後の1990年代へと移ります。
この時代になると、80年代のバブリーで華やかで、それでいてプラスチッキーなチープ感のある商品はなくなり、安価な商品であってもデザインがこなれてきて、質感が良くなってきているのがわかります。
8X30D IF RC WP COMPASS SCALEは、いかにもミリタリっぽいカーキの外装にコンパスとスケールが入っているとか、ちょっとワクワクしちゃいます。実用性はともかく。
MIKRONです。なーんだ、と思うかもしれませんが、MIKRONは1921年から1974年まで小改良を加えながら販売されつつも、一旦は販売を終了します。
2000年代になるとより洗練されたデザインや、あるいは技術的革新が入ります。
2000年代といえばこれ、世界初の手ぶれ補正双眼鏡、STABILIEYESシリーズでしょう。
以外にも、手ぶれ補正双眼鏡は21世紀に入ってからの発売でした。
手ぶれ補正技術は、90年代には既に市販のビデオカメラにも搭載されだしていましたが、モデルサイクルが長い双眼鏡の世界では、導入が遅れたのでしょうか?
もっとも、一般的な倍率の中型双眼鏡は、しっかり両手で構えられるため、あまり手ぶれ補正は必要ないかもしれませんが。
2000年代後半から2010年代に入ると、もはや現行製品も多く、珍しさはないですね。
遊(YU)4X10D CFは、上級コンパクト双眼鏡として現在も販売されています。 薄くておしゃれです。
2010年代になると、またカラフルなモデルが増えてきていますね。
上の写真のACULON T01の青は、毎年恒例ニコンダイレクトの福袋で購入して持っていますが、安いものなので、性能はそこそこですが、軽くて便利です。たまに使う分には十分な性能です。
そして2010年代後半の最新製品たち。
以上がNikonの双眼鏡100年の歴史の展示となります。
紹介しきれませんので、詳しくはニコンミュージアムにてご確認いただければ幸いです。
紹介はここまで、次回は双眼鏡を体験します。
ニコンミュージアム企画展「ニコン双眼鏡100年の歴史」を見てきた4 ― 2018年07月10日 05時57分
長々と書いてきた「ニコン双眼鏡100年の歴史」の紹介も、今回で最後です。
年代別展示と、水防式12センチ双眼望遠鏡(九七式十二糎双眼望遠鏡)をひと通り見終わりましたが、それだけではありません。
ダメ押しの歴代MIKRON展示。
もうね、いいでしょう、かっこいいでしょう、おしゃれでしょう、欲しいでしょう?と言わんばかりの展示で、これはもうNikonさんの策略に嵌りそうです。
MONO MIKRONという、単眼の商品もかつてはあったのですね。ちなみに1948年の商品です。
右上はGoldなMIKRON 2000で限定商品。
下の2つは年代不詳のプロトタイプのようです。
もちろん双眼鏡お試しコーナーもありますが、そこはニコンミュージアム。なにせ、F2 Titanとか普通に触れる状態で展示してありますから、現行品だけではありません。
写真右側の双眼鏡はこの中で最も古い、ORION 6X24です。
ORION 6X24の歴史は古く、1922年に発売され、旧日本軍の将校用として採用されます。
戦時中に旧日本軍で使用された代表的な双眼鏡だったようです。
戦後は民生用としても販売され、長きに渡って製造された製品です。
ここに置かれていたORION 6X24は、"MADE IN OCCUPIED JAPAN"の刻印がある通り、戦後の日本が商品を輸出する際に、表記を義務付けられていたもので、直訳すると「占領下の日本製」です。この刻印は、サンフランシスコ講和条約が発行された1952年までとなりますので、手に持っているこのORION 6X24は、1947年から1952年製であることがわかります。
もちろんちゃんと試せます。
現代の双眼鏡と何ら遜色ない性能です。比べると、わずかに現代の製品のほうがコントラストあってがクリアだったりするかもしれませんが、素人目にはこれだけでも十分な性能と思いました。
長く生産されていた理由がわかりますね。
もちろん、あのMIKRONも使用可能な状態で展示されていました。
使ってみましたが、こんなに小さいのにちゃんとクリアに見えるのですね。
ただ、小型故に持ちづらく、またピントノブの操作もしづらく、やや被写体ぶれしやすいのが難点でした。
どちらかといえば、アウトドアより室内で使用することを想定した商品のようです。
個人的にいろいろ試して、一番持ちやすく、見やすく使いやすかったベストバランスな双眼鏡は、8X30E IIでした、
双眼鏡もいろいろありますが、調べると、この8X30E IIは双眼鏡ユーザーの中でも評価が高いモデルのようですね。バードウォッチングの定番品らしいです。
100周年記念モデルにもなっているくらいなので、これがやはりベストバランスなのでしょう。
双眼鏡は、今は安いACURON T01だけですが、ちゃんとしたものもいつかは欲しいですね。
そんなこんなで、たっぷり展示を見せて、触らせて購買意欲を図らせるというのは、なかなかうまいやり方ですね。
ニコンミュージアムの定常展示としては、歴代レンズも飾ってありますから、中古レンズの情報収集なんかにも最適です。
是非足を運ばれることをおすすめします。
おまけ
ニコンようかん、しっかり買って帰りました。
Twitterに書いたように世界は救えないけど、学校給食支援になるそうです。
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