サイボクハムでAI 24mmを試す2019年05月13日 06時26分

家族でサイボクハムに行ってきました。
子供を遊ばせられるアスレチックがあり、ハムやらソーセージやらステーキやらも売っています。レストランもあるし、テイクアウトで食べる場所もあって、温泉まで付いています。

サイボクのアスレチック

家族連れに良い場所ですよ。

Nikon FnoT

Nikon FのTシャツ来たのに、ボディはNikon F2 Photomic(笑
AI Nikkor 24mm f/2をフィルムで試すべく、F2に装着。
Photomicファインダーですが、不具合で絞り値に連動しないので、露出計も持参。アイレベルファインダーと変わらない…。

とは言え、使い心地はFよりもF2なんですよね。洗練されているというか。


母の日セット

撮影のメインはF2だったので、デジタル写真はスマホで。この日は母の日だったので、ソーセージやステーキのセットは「母の日セット」という限定メニューがありまして、それをチョイス。妻にはコエドビールを、自分はドライバーなのでノンアルコールビールで。プラス「もつ焼き」「ソーセージセット」も。

AI 50mm f/1.2Sにセコニック

途中AI Nikkor 50mm f/1.2Sに交換。当然ながら、焦点距離が長く、Fマウントでも明るいレンズなので、ピントの山が見やすいですね。
露出計はセコニックのL-188。そろそろ電池がなくなってきました。そう言えば前回変えたのって何年前だろう?

フィルム1本撮り終えました。NEOPAN ACROS100。
NEOPANは復活するとの話もちらっと出ているようですが、富士フィルムはフィルム関連商品を30%程度値上げしました。
高級品になってきていますね…。

平成最後の日はちょいと天気が崩れまして2019年05月01日 07時30分

函館2日目、曇り~からの小雨。

午前、函館山に登りました。

函館山から

登ったと言っても車ですが…。この時期は、自家用車で上がれます。夏になると、交通規制で一般車は上がれなくなりますが。

護衛艦やらセブンシージマリナーとか

左上は港町埠頭に接岸中の「セブンシーズ・マリナー」、2日前のセレブリティ・ミレニアムよりやや小ぶりです。
右上にいるのは「ナッチャンWorld」
手前の函館どつくには、整備中の護衛艦「まきなみ」(DD-112)と、その左側には掃海艇「いずしま」(MSC-687)が。
函館どつくもこの十数年、すっかり自衛艦整備が板についた感じです。
左翼系政治家が渦巻いていた一昔前じゃ考えられないですね。というのは置いておいて、現実には、商売として自衛隊艦艇も受け入れないと厳しいものがあるのかもですね。

子供らは函館山には興味ないので…、五稜郭公園に花見に移動したものの、さすがに昼過ぎは駐車場が満車だったので、諦めて道南四季の杜公園へ。

道南四季の杜公園

ひろーい! はらっぱー!

Nikon Z 6

Nikon Z 6です。自分のじゃないです。親父のです。
でもZマウントレンズはまだないんだって。えー。ついていたのがFTZ経由でAF-S 24-120mm f3.5-5.6Gって、だいぶ古いね。

トンネルからはしごで外へ

遊具の充実した公園で、そんなに混んでもいないのがいいですね。
娘と息子は、トンネルの結構な高さのはしごを登っていて、見ているこっちはドキドキ。

ふわふわドーム

雨が降り出してきましたが、ふわふわドームが気に入って、ずっと跳ねていた子どもたち。

都会だと、この手の公園は遠いし混んでいるし、こういうのは田舎のほうが良いですね。

ストリップフィルムホルダでスキャンした2019年04月07日 07時36分

コマ間不揃いでも、COOLSCAN Vで多少はスキャンできたわけですが、うまくスキャン時にコマが合わなかったものもあり、フィルムのオートローダーを、ストリップフィルムホルダに切り替えて、1コマずつスキャンしました。

Nikon Photomic FTN + AI Nikkor 50mm f/1.2S Fujifilm NEOPAN ACROS 100

この日は晴れていたので、ISO100のNEOPAN ACROSでは、AI 50mm f/1.2Sの絞り開放では、Nikon Fの最高シャッタースピードである1/1000秒は足りず、f2~4に絞って撮影しています。

Nikon Photomic FTN + AI Nikkor 50mm f/1.2S Fujifilm NEOPAN ACROS 100

不思議なもので、同じレンズをD850に装着して撮ると、カメラが高解像度というのもありますが、とてもピントの山とか細かいことが気になります。

Nikon Photomic FTN + AI Nikkor 50mm f/1.2S Fujifilm NEOPAN ACROS 100

でもフィルムで撮ると、不思議と気になりません。多少ピントが外れていてもいいじゃん、って思います。
フィルムをデシタル化したときの、シャープネスの違いなのかもしれませんが。スキャン時には、ほんの僅かだけアンシャープマスクはかけていますが、基本的にカリカリにはしません。

フィルムだから、デジタルだから、というチープな論議はネット界隈では嫌というほど見てきましたが、どっちが良い悪いじゃないんです。
デジタルは便利でよいのですが、たまにはフィルムで撮るのも楽しい、そんなスタンスです。
実態が残るフィルムってのも、やっぱりいいですね。

デジタルから入った方は、フィルムがある意味新鮮に感じるでしょう。
逆にフィルムからやっていた人は、デジタルの恩恵をたっぷり受けて、もうフィルムに戻らないか、逆にデジタルを受け付けないか、その両極端は多いですが、多様性の時代ですから、どっちも楽しんじゃいましょうよ。


Nikon Photomic FTN + AI Nikkor 50mm f/1.2S Fujifilm NEOPAN ACROS 100

コマ間不揃い2019年04月05日 07時07分

Nikon Photomic FTN、去年OHしたばかりですが、巻き上げ不調が再発。

Photomic FTNコマ間不揃い

前半がひどい。
再調整が必要かもしれません。後半は慎重に巻き上げレバーを回したからか、コマ間は正常に。


Nikon Photomic FTN + AI Nikkor 50mm f/1.2S
Nikon Photomic FTN + AI Nikkor 50mm f/1.2S Fujifilm NEOPAN ACROS 100

ACROSとAI Nikkor 50mm f/1.2Sの組み合わせは初めてですが、なかなかいいですね。
こんなに柔らかな描写で撮れるとは。
やはりフィルム時代の設計のレンズだけあり、フィルムでの撮影に適していますね。
これは多分f4まで絞って撮っていますが、絞っても適度な柔らかさがあって、階調豊かです。

クリスマスツリーを出す季節2018年11月26日 06時27分


クリスマス商戦は、11月にはもう始まっていますが、遅ればせながら、我が家もクリスマスツリーを展開。

子供らと一緒に飾り付けして設置。
ちょっとゴチャゴチャしているけど、まあいいか。

AI Nikkor 50mm f/1.2Sの絞り開放で撮影。

ピクチャーコントロールはフラットにして、Nik Collectionでフィルム調のKodachrome 64 Professionalに、ほんのわずか周辺減光加工(-15%)してみました。

でもゴチャゴチャ感は否めないですね(笑

ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち」(その5)2018年10月27日 06時12分

さあニコンミュージアムの「幻の試作レンズたち」の記事は今回で最後に。
関東圏の方はぜひ実際に足を運んでみてほしい。本年末までの展示です。次展示される機会はないかもしれません。

●Nikkor-O Auto 50mm f/1.2-1.4
Nikkor-O Auto 50mm f/1.2-1.4

なんともマニアックなレンズです。
Nikkor-O Auto 50mm f/1.2-1.4は、オシロスコープ撮影用として試作されたレンズです。
ナンノコッチャと思いますが、その昔、CRTに表示されたオシロスコープの波形を残す手段は「カメラで撮影する」という方法しかありませんでした。
工業系の方なら使ったことのあるオシロスコープ、今はデジタル化され、その波形も連続取得可能であり、CSV化して数値としても取得できますが、アナログ時代には波形を止める手段はアナログ的手法しかなく、その画像を撮影することで測定結果を保存していました。と言っても、自分も実家にあったTRIOのアナログオシロくらいしか経験はなく、学生時代既にデジタルが主流になりつつありました。
工業用レンズとしては、CRT Nikkorが存在しましたが、Fマウントでも試作されていたのですね。開放f値がf/1.2-1.4で、レンズ側の表記は1:1.2 A.R. 1:1.4となっているのが興味深いです。
また、フォーカスリングも距離表記ではなく、%となっていて、近接撮影に特化されているようです。


●Nikkor-P 105mm f/4  Macro-Nikkor 65mm f/5.6
Nikkor-P 105mm f/4  Macro-Nikkor 65mm f/5.6

Nikkor-P 105mm f/4 とベローズ

だんだんマニアックになってきました。RED BOOK NIKKORの世界に突入しそうな感じですが、市販化されたベローズ用ニッコール、Nikkor-P 105mm f/4ですが、試作品はレンズ先端にバヨネットが着いていて、マクロ撮影でおなじみの手法、レンズをリバースして取り付けたそのままの状態です。
そして、その下にはこれまたマニアックな、Macro-Nikkor 65mm f/5.6が。
Macro-Nikkorと言えば、大判のマクロ撮影用レンズとして存在しました。ご存知の方には釈迦に説法ですが、Nikonは等倍撮影までのレンズは、Macro(マクロ)でなく、Micro(マイクロ)という表記をしています。Macroは、Nikonでは等倍を超えた撮影倍率で撮影できるレンズにのみ、与えられる名称です。
正向でも逆向でも取り付けられる、というのがまたマニアック。


●広角単焦点レンズの試作品たち
広角単焦点レンズの試作品たち

これら広角レンズは、殆どが市販化されていますが、試作品は外観が異なります。35mm f/2.8も、自分も持っているNikkor-Sとは別の光学系で様々に作成されていたようです。


●Nikkor-D 15mm f/4
Nikkor-D 15mm f/4

市販版としては、1973年発売のNIKKOR-QD C Auto 15mm F5.6が存在しますが、こちらは1段明るい分、ミラーアップして装着しなければならず、使い勝手の面で難しいものがあったのでしょう。外付けファインダとか憧れちゃいますけどね。


●Nikkor-HD・C 13mm f/5.6  Nikkor-HD Auto 13mm f/8
Nikkor-HD・C 13mm f/5.6  Nikkor-HD Auto 13mm f/8

これまたマニアックな超広角レンズです。
13mmはNew Nikkor 13mm f/5.6として1976年に発売されていて、その後20年近く発売されたレンズですが、その試作品(左)はなんとも巨大なフードが後付されています。実際の製品にはこのフードはつかなかったようです。受注生産品だったそうなので、中古市場でもほぼ見かけませんし、あっても高価過ぎて買えないでしょう。
一方、f/8バージョンも試作されたようですが、1段暗い割にサイズがあまり小さくならず、市販化されなかったようです。


●Nikkor-TD Auto 20mm f/2.8  Nikkor-D Auto 20mm f/4
Nikkor-TD Auto 20mm f/2.8  Nikkor-D Auto 20mm f/4

Nikkor-TD Auto 20mm f/2.8は、この2年後に20mmではf/4バージョンは発売されていましたが、このf/2.8スペックは1984年まで発売されず、この当時なぜ発売されなかったかが気になります。右側のf/4は、New Nikkorの外観で発売されています。


●AI Nikkor 20mm f/2S
AI Nikkor 20mm f/2S

AI Nikkor 20mm f/2SはZ 7にマウントされています。f/2.8は上に書いたように、1984年以降現在に至るまでラインナップされていますが、f/2は市販化されませんでした。外観を見ても、ほぼ製品仕様と変わらない感じがしますが、なぜ売られなかったかが気がかりです。数が出ないと判断されたのかな? コンパクトで使ってみたい1本。
なお、現在はAF-S NIKKOR 20mm f/1.8Gが市販化されていて、三十数年の時を経て、やっと明るい20mmレンズが市販化されたことになります。


●標準レンズの試作品たち
標準レンズの試作品たち

50mmレンズは、カメラレンズの基本中の基本ですが、数多く試作されたことがわかります。その中には、伝説のNoct Nikkorの試作品があり、58mmの前には60mmがあったり(当時はf/1.2で50mmは難しかった)と、とにかく様々な試作がなされたようです。


●標準Zoom-Nikkorレンズたち
標準Zoom-Nikkorレンズたち

1963年に、その後長年に渡って販売されるZoom-Nikkor 43-86mm Auto f/3.5(通称ヨンサンハチロク/ヨンサンパーロク)が登場後、なかなか次の標準ズームは発売されませんでしたが、こうして40-85mmといった画角は試作されていたようです。

1975年には、New Zoom Nikkor 28-45mm f/4.5、1977年にはAI Zoom Nikkor 35-70mm f/3.5が発売されており、この試作品たちは、その商品化への足がかりとして役に立ったことでしょう。


●28mmからの標準ズーム
28mmからの標準ズーム

80年代に入ると、ズームレンズも一般化してきましたが、28mmから始まる標準ズームレンズは、1977年にAi Zoom Nikkor 28-45mm f/4.5が市販化されていますが、1985年にAi Zoom Nikkor 28-50mm f/3.5Sや28-85mm f3.5-4.5Sされるも、それより高倍率のものは90年代に入るまで市販化されませんでした。
しかし、AFレンズ登場以前に、こうして28-105mmや28-135mmが試作されていたようです。発売されなかったのは、この頃AFカメラとレンズが登場し始め、マニュアルレンズとして試作されたこれらのレンズをAF化するのが、難しかったのかもしれません。
AFレンズの登場は、AF駆動させるフォーカシング群の設計に影響を与え、この時代はその狭間として、MFなら市販化されたかもしれないレンズも、時代背景から市販化が難しかったのかもしれません。


●AI AF Zoom-Nikkor 35-70mm f/3.5
AI AF Zoom-Nikkor 35-70mm f/3.5

AI AF Zoom-Nikkor 35-70mm f/3.5は、写真のF3が発売される1年前の1979年に試作されたようです。このスペックのレンズ自体は、1977年にAI Zoom-Nikkorで発売されていますが、外観はむしろ京セラCONTAXっぽいですね。下に巨大な外付けAFユニットがあり、この試作が、後のF3AFにつながっているのでしょう。


●AI AF Zoom-Nikkor 35-70mm f/3.5 AI AF Zoom-Nikkor 50-135mm f/3.5S
AI AF Zoom-Nikkor 35-70mm f/3.5 AI AF Zoom-Nikkor 50-135

AF時代の夜明けです。
右のAI AF Zoom-Nikkor 50-135mm f/3.5Sは、ズームレンズはF3AF用レンズは登場しなかったのですが、試作はされていたようです。中途半端な焦点距離ですね。

お隣のF4とAI AF Zoom-Nikkor 35-70mm f/3.5は、市販化されましたが、外観は市販品以上にそっけない、悪くいうと安っぽい感じです。80年代後半から90年代の、過度なプラスチック信仰の弊害ですね…。軽量化には寄与したとは思いますが。


●Nikkor-P Auto 135mm f/3.5  Nikkor-H Auto 85mm f/1.8
Nikkor-P Auto 135mm f/3.5  Nikkor-H Auto 85mm f/1.8

時代はまた戻り、望遠レンズです。
自分が持っているレンズだと反応してしまいます。外観が異なりますが、85mmは製品版に近い感じがします。


●Reflex-Nikkor 250mm f/8  Nikkor-P Auto 200mm f/4
Reflex-Nikkor 250mm f/8  Nikkor-P Auto 200mm f/4

Reflex-Nikkor 250mm f/8なんてレンズも試作されているとは。Reflexは市販化されたのが500mm以上でしたが、こんなに焦点距離の短いReflexは見たことがありません。
確かに小型軽量でしょうが、250mmというスペック、Reflexレンズは構造上f/8で絞り機構がないので、感度がフィルムに依存してデジタルのように簡単に変えられなかった時代、使い勝手も悪かったでしょうね。

奥のNikkor-P Auto 200mm f/4は、1976年にNew Nikkorで発売されていますが、New Nikkorになるにあたり、レンズ枚数を示す-Pといった記号は表記されなくなります。


●Nikkor-H Auto 300mm f/4.5
Nikkor-H Auto 300mm f/4.5

Nikkor-H Auto 300mm f/4.5は、同スペックのレンズとしては1964年に発売され、その後何度かに渡って改良を加えられた名レンズですが、1972年に試作されたこのレンズは、何故か外径が太くなっています。その後、New Nikkor化されることになりますが、デザインの試行錯誤もあったということでしょうか? 黄色いレンズキャップが良いですね。


●Nikkor-H Auto 400mm f/5.6
Nikkor-H Auto 400mm f/5.6

これまた興味深いレンズです。
このデザインでは量産されていない、と書かれていますが、そもそもNikkor-H Auto 400mm f/5.6というスペックのレンズは発売されていないからです。
400mmでf/5.6というスペックのレンズは、Nikkor-P C Autoで1973年に発売されていますが、その後もNikkor-Hの記号、Hの6枚構成という400mmは、知る限り市販化されていません。
このスペックのレンズは、フレネルレンズを採用したPFレンズとして、市販化が期待されています。まあ400mmだと、f/4でないと商売的には難しそうですが。


●Nikkor ED 600mm f/5.6
Nikkor ED 600mm F5.6

1年後に市販化されるAi Nikkor ED 600mm F5.6(IF)の試作品でしょう。
焦点距離が長くなるに連れて発生する色収差を抑えるためのEDレンズが開発されたことで、一気にEDレンズ採用のレンズが増えたこの時期、超望遠単焦点レンズの幕開けとして開発されたレンズです。
絞りリングを見ると、この時点ではAI化されていないようですね。


●AI Zoom-Nikkor 70-250mm f/3.5-4.5S
AI Zoom-Nikkor 70-250mm f/3.5-4.5S

これもなかなか興味深い。80-200mm f/2.8Sや70-210mm f/4は1982年に発売されていますが、このような望遠ズームレンズでf/3.5から始まり、200mmを超えるものはあまり例がないからです。
惜しむらくは、1985年というAFカメラ発売の年であり、その後多くのレンズをAF化しなければならなかったこの時代、AF機構を組み込むとより大きく重くなるため、市販化されなかったと思われます。


●Auto Nikkor Telephoto-Zoom 100-600mm f/5.6
Auto Nikkor Telephoto-Zoom 100-600mm f/5.6

何というスペックのレンズだ!
Auto Nikkor Telephoto-Zoom 20-60cm F9.5-10.5というレンズは、1961年に発売されており、このスペックもまたすごいのですが、その更に上を行くのがこのレンズ。
超望遠で自動絞り、6倍ズームというだけでもすごいのですが、それが開放f値f/5.6固定なのです。200-600mmは、その後f/9.5や180-600mm f/8Sといったスペックで改良はされているものの、それより1段明るい本レンズ、その扱いは相当に難しかったのではないでしょうか。
先ごろSIGMAから60-600mm F4.5-6.3というレンズが発売されましたが、半世紀の時を越えてやっと時代が追いついた、といったところです。

如何でしょう? 驚きのレンズから、市販されたあのレンズの試作品まで、すべて紹介しきれませんが、市販されるレンズの影に、日の目を見なかったレンズたちがたくさんいたわけです。
こういったレンズを廃棄せず、後世のために保存しているNikonは偉い!

ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち」(その4)2018年10月26日 06時37分

試作レンズ、たくさんあって全てを紹介しきれませんので、かいつまんで。
ここからは、作例はなく展示のみですが、広角から望遠まで、様々な試作レンズが並んでいます。
どれも、普段目にすることができない貴重なレンズたちです。

●AI Fisheye-Nikkor 8mm f/2.8S
AI Fisheye-Nikkor 8mm f/2.8S

同名称のレンズは、1977年に発売されていますが、そのレンズを等立体角射影方式とした試作レンズです。
等立体角射影方式とは、SIGMAが実際に商品化していますが、撮影された写真の面積を計測することで、視界に対する被写体の割合を求められる…という、我々一般市民からすればナンノコッチャですが、やはり学術的、工業的要素の強いレンズですね。
80年代になると、数多くあったNikonの魚眼レンズも、開発ペースは落ちています。
このレンズも、そういった事情から市販されなかったのでしょう。


●Fishieye-Nikkor Auto 7.5mm f/2.8  AI Fisheye-Nikkor 8mm f/2.8S
Fishieye-Nikkor Auto 7.5mm f/2.8  AI Fisheye-Nikkor 8mm f/2.8S

魚眼全盛期に開発されたFishieye-Nikkor Auto 7.5mm f/2.8と、先程ご紹介の8mmとの比較。
大きさはそれほど変わっておらず、やはり8mmや7.5mmクラスの魚眼はこのくらい大きくなってしまうのですね。


●PC-Nikkor 35mm f/2.8  PC Nikkor 28mm f/4
PC-Nikkor 35mm f/2.8  PC Nikkor 28mm f/4

いわゆるシフトレンズは、Nikonでは1962年に、PC Nikkor 35mm f/3.5が発売されました。28mmのPC Nikkorは1975年まで待たねばなりませんでしたが、その4年前の1969年に、すでに自動絞り化を目指していたようです。
PCレンズは、レンズがシフトする構造上、通常のレンズのように、マウント手前に絞り機構をもたせると、シフトした際に光軸から絞りがズレてしまいます。このため、レンズ前側に絞り機構を設けていますが、そうするとカメラからの機械連動で絞りを制御することが難しくなります。自動絞り化は、機械連結ではかなり複雑になったようです。
同じく35mmも自動絞り化を目指したようですが、断念。
自動絞り化は、2008年に電磁絞りが採用されたPC-E NIKKORが発売されるまで、PCレンズ登場から実に40年近く経つまで待たなければなりませんでした。
この辺り、レンズ内AFモータ、電磁絞りを当初から採用したCanonのEOSに遅れを取ってしまいましたね。

今日はここまで。

ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち」(その3)2018年10月25日 05時57分

作品展示レンズは後2本です。

●Reflex-Nikkor 1000mm f/11
Reflex-Nikkor 1000mm f/11

Reflex-Nikkor 1000mm f/11

こちらはZ 7との組み合わせ状態での展示。
反射光学系の望遠レンズであるReflex-Nikkorは、60年代から80年代にかけて発売されましたが、このレンズももう製品化手前まで行っていた感じがしますね。
同スペックのレンズは、1976年にNewタイプで発売されていて、本レンズはその改良版となるはずだったようですが、実際に1984年に発売されたのはReflex 500mm f/8のみでした。
1000mmともなると、超望遠レンズであり、扱いはかなり難しいと思われ、数があまり出ないこの手のレンズは、前作から8年程度でのモデルチェンジは、減価償却的にも難しかったのかもしれませんね。
なお、NikonのReflexは、84年の500mm f/8(New)を最後に新規発売はされておらず、2005年に販売終了しています。

作例の写真は、製品として出しても何らおかしくのない、超望遠ならではの圧縮効果、ややうるさいボケでした。
この手の尖ったレンズ、Reflexは反射光学系ゆえ光学的にAF化が難しく、MINOLTAから1本発売されたのみですが、ミラーレスであればコントラストAFも使えますし、開放f値の暗さも一眼レフほどは問題になりませんので、ぜひZマウントのAFレンズで商品化して欲しいですね。


●Auto Nikkor Telephoto-Zoom 85-250mm f/4 (1958)
Auto Nikkor Telephoto-Zoom 85-250mm f/4

すみません、この写真のみ開発年が隠れています。1958年です。つまり、Fマウントが発売される1年前で、この時すでにズームレンズが開発されていたことになります。
いわゆる、MFのZoom-Nikkorレンズ特有の被写界深度指針の「ヒゲ」は、もうこの頃に確立されていたことを伺わせますが、試作レンズゆえ、紙に描いたものを貼り付けていたようです。
今どきの望遠ズームより大きいですが、固定f値なのが素晴らしい。
なお、実際に発売された製品としては、1967年により高倍率化されたZoom-Nikkor Auto 50-300mm f/4.5があり、このレンズの試作経験が大いに生かされたものと思われます。

作例は、流石に古いズームだけあり、コントラストはもう一歩な感もありますが、悪くはないといったところです。


●Zoom-Nikkor Auto 35-400mm f4.5
Zoom-Nikkor Auto 35-400mm f4.5

60年代後半から70年代に入ると、ズームレンズのラインアップも増えてきましたが、なんと70年代に10倍を超えるズームレンズが試作されていたとは驚きです。35mmという標準域から、400mmまでの超望遠の入り口までを1本でカバー、しかも開放f値がf/4.5で固定なのもまたすごい。
でも、この巨大なレンズは、昨今の高倍率ズームレンズとは違い、もはや超望遠レンズと変わらないですね。
単焦点の400mm f/4.5だとしても、当時を考えれば割と良いスペックですからね。

ただ、作例を見ると、このレンズのみ画質は「う~ん」となってしまいました。まさかこのレンズも、Z 7のような高画素デジタルカメラで撮影されるとは夢にも思っていなかったでしょう。コントラストは低く、ボケも収差の影響がもろに出ている感じでした。
このレンズはスペックは良くても、Nikkorとして発売するには少々画質が物足りなかったのでしょうね。そしてこの巨大なレンズでは、サイズも値段も一般ユーザーには手が届かなかったでしょう。


▼マウントアダプターFTZと非AIレンズの装着につきまして
マウントアダプターFTZと非AIレンズの装着につきまして

大事なことなので、文字に起こします。
FTZの説明書には、非AIレンズは装着不可となっていますが、展示ではその非AIレンズで撮影しています。

"AI方式を採用する以前の「Auto-Nikkor」などの交換レンズには、レンズ後部の突起物や絞りリングの形状によって「マウントアダプター FTZ」に装着するとは心、故障する可能性のあるレンズがあります。そのため、カタログなどでは、このような組み合わせは「使用できません」と表記し、注意をお願いしています。
本店での撮影の際は、「マウントアダプター FTZ」を使用するレンズの取付状態を確認した上で撮影しています。"

だそうです。
実際、Auto-Nikkor時代のレンズは、絞りリングのスカートの深さに個体差があり、レンズによっては無理に装着するとボディやレンズを破損させる可能性があります。
装着の際は、硬いなど違和感があった場合は、無理に装着しないことをおすすめします。

ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち」(その2)2018年10月24日 06時19分

ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち」の続き。

よくぞ保存しておいてくれた、試作レンズの続き。通常、どこのメーカーも試作品は廃却の運命をたどることが多いので、こうして保存しているニコンは凄いですよ。資産とか、どういう扱いになっているのかな?

●Refre-Nikkor 400mm f/8
Refre-Nikkor 400mm f/8

1961年に反射光学系のReflex 500mm f/5が発売されていますが、それより焦点距離を縮めて暗くして、安価な望遠レンズというのを狙いたかったのでしょうね。
現実には、400mmのReflexは中途半端だったのかもしれません。この当時、まだまだ一眼レフカメラは高価で、誰しもがおいそれと買えない時代でした。このレンズは開発が早すぎたのかもしれません。

展示の作例は、反射光学系らしいリングボケ、やや薄いコントラストで、少し物足りない気がしました。
他メーカーを見ても、Reflexは500mmから、というのが一般的なようです。


●Micro-Nikkor Auto 55mm f/4
Micro-Nikkor Auto 55mm f/4

Micro-Nikkor Auto 55mm f/4

Micro-Nikkor Autoは、1/2倍撮影が可能な55mm f/3.5が1963年に発売されていますが、M2接写リング装着時(1/2倍~等倍)には露出系接続のためのカニ爪連動ができないのが欠点でした。
この為考えられたのが、このレンズと中間リングでしたが、観ての通りメカメカしいギミックは如何にも試作品という趣で、流石にこのまま発売は難しかったのかもしれません。

作例はさすがMicro-Nikkor。解像度が高く、文句のつけようのない素晴らしい描写でした。


●AI OP Fisheye-Nikkor 10mm f/2.8S
AI OP Fisheye-Nikkor 10mm f/2.8S

AI OP Fisheye-Nikkor 10mm f/2.8S

OP=正射影方式 (Orthographic Projection)の魚眼レンズは、1968年に、ミラーアップして取り付けて撮影するOP Fisheye-Nikkor 10mm f/5.6が発売されました。OP方式のNikkorは、市販化されたのはその1本のみでした。
60年代から70年代にかけて、Nikonは数多くのFisheye-Nikkorを市販化しており、当時魚眼レンズは一般撮影者向けというよりは、天体撮影など学術的な用途に用いられることが多かったことからも、数多くのFisheyeがラインアップされていたのでしょう。

そのFisheyeも、80年代に入って多くのレンズがAI方式化される中、OPレンズもAI化し、従来より2段も明るいf/2.8化、更にミラーアップ無しで取り付け、撮影が可能なのが本レンズだったようですが、すでにこの頃になるとFisheyeの学術的用途での使用が減ったのか、ついに市販化されなかったようです。
外観を見ても、完成度は高く、そのまま市販化されておかしくないレンズに見えます。もっとも、発売されたとしたら相当高価なレンズになったでしょうね。

作例も、大変素晴らしく、もし発売されていたとしたら、伝説的な1本になること間違いなしと思います。

続く…

ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち」(その1)2018年10月23日 05時49分

品川インターシティにやってきました。

品川インターシティにやってきた

もう先週のことになりますが、ニコンミュージアムの企画展「幻の試作レンズたち」ミラーレスZ 7が捉えた魅惑の描写、を観てきました。

ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち」
ピント合ってない(汗

Nikon初のフルサイズミラーレス「Z 7」に、Fマウントアダプタ「FTZ」を使用し、撮影した写真と試作レンズの展示となります。
2018年12月27日までとなっております。

試作レンズ10本を使った作品

50年代から80年代にかけて試作されたレンズのうち、10本を使って、Z 7で撮影された写真が展示されています。
なお、作品に自体の撮影は禁止です。上の写真は背景がボケているので、ギリギリセーフということで、実際の作品はニコンミュージアムでお確かめください。

撮影は瀬尾直道氏

撮影者は、元ニコンの社員で、写真家に転向した瀬尾直道氏。ものすごい経歴ですね。

●Nikkor-S Auto 105mm f/2.8
Nikkor-S Auto 105mm f/2.8

Nikkor-S Auto 105mm f/2.8

この当時、まだ非球面レンズは一般的ではなく、写真用レンズとしてはLeicaのノクチルックスが1966年に発売されたものが初だそうです。ニコンでも当時研究していたのは当然ですが、通常非球面レンズを採用するということは、球面収差を抑えるために用いることが多いのですが、このレンズはあえて球面収差を発生させているとのこと。
ただ、どの絞り値でも球面収差を発生させる、というのは商品としては難しかったのだと思います。
ちゃんとそれらしいシリアルナンバーが振られていて、何本か試作されたことを伺わせます。

作例は、柔らかな球面収差が発生しつつも、ピント自体はしっかり出ているよう思いました。

なお、105mmレンズ自体は、1971年にNikkor-P Auto 105mm f/2.5が商品化されています。レンズ構成も違う(Nikkor-Sは7枚、Nikkor-Pは5枚)ので、このレンズから派生したものではないと思われます。


●AI Nikkor 28mm f/1.4S
AI Nikkor 28mm f/1.4S

こちらも非球面レンズを使用した大口径レンズです。1985年に、すでに広角大口径レンズが試作されていたのですね。
Nikonでは、1994年にAI AF Nikkor 28mm f/1.4Dが発売されており、このレンズが後にAF化されて日の目を見たのでしょう。

描写は、Z 7でも何ら不足ない、素晴らしい写りでした。(作例を見ての感想です)


●GN Auto Nikkor 35mm f/2
GN Auto Nikkor 35mm f/2

フラッシュ撮影黎明期のレンズ。GN Nikkorは45mmが発売されましたが、GNはその1本だけだったことから、あまり需要がなかったのかもしれません。
レンズとしての性能は、何ら問題ないと思いますが、GNという特殊機構ゆえ、販売が難しかったのかもしれません。
なお、GN Auto Nikkor 45mm f/2.8は、1969年に発売されています。
ところで、この当時のレンズ名は、Nikkor-● Auto…でしたが、このGNレンズは、Auto NikkorとAutoとNikkorが逆に配されていて、レンズ構成を示す記号がありません。


●Nikkor 58mm f/1.2
Nikkor 58mm f/1.2



なかなか興味深いレンズです。伝説的なレンズとして語り継がれている、1977年に発売されたAI Noct Nikkor 58mm f/1.2(1982年にAI-S化)の試作レンズです。
Zマウントでも、Noct 58mm f/0.95として復活が予告されています。
このレンズの面白いところは、AI化されておらず、絞りリングは旧Nikkor Autoのままです。

描写はさすがNoct Nikkorの試作品だけあります。Z 7でもなかなかの描写でした。3次元ハイファイと呼ぶにふさわしいレンズです。
開放からコントラストが高く、サジタルコマフレアや球面収差を抑えた設計が描写に効いているようです。

Nikkor 58mm f/1.2の絞り羽根は7枚

ところで、このレンズの絞り羽根は7枚で、実際の製品のNoctも、初期型は7枚構成とのこと。
ちなみに、AI Nikkor 50mm f/1.2Sが9枚、Noctも後に9枚構成化されました。

本日はここまで。