EL-NIKKOR 135mm F5.6とPB-4で遊ぶ2019年06月16日 07時06分

本ブログでも時々登場するEL-NIKKOR(エルニッコール)は、Nikonがかつて販売していた、引き伸ばし用のレンズです。
本来は、フィルム写真を印画紙に引き伸ばす(露光する)ためのレンズですが、これを逆に撮影用に使用することも可能です。
EL-NIKKORの中で2番目に焦点距離が長いのが、このEL-NIKKOR 135mm F5.6です。

Nikon PB-4 + EL-NIKKOR 135mm F5.6をGITZOのフルードジンバル雲台に載せる

一般的に多く流通している引き伸ばし用のレンズは50~80mmが多いですが、50mmは主に135判フィルム、80mmは中判フィルムの引き伸ばしによく使用されていたようです。
135mmはというと、4x5判(いわゆる大判のシノゴ)で使用される引き伸ばしレンズ。さすがに4x5判のような大判フィルムともなると、それ用の引き伸ばしレンズもぐんと流通量が少なくなります。全く出回らないというほど希少ではないにしろ、あまり多くないというのが実感。
レンズの詳細は、この分野で知らない人はモグリであろう、RED BOOK NIKKORが詳しいです。

50mmや80mmのEL-NIKKORと比較すると、如何にもゴロンとしていて大きく、サイズ以上にズシリと重量感があります。金属とガラスの塊というにふさわしい重さです。
さて、ここまで焦点距離が長い引き伸ばしレンズともなると、フランジバックは相当長いため、一眼レフカメラであっても、ベローズと組み合わせるのが最適です。
もちろん、中間リングとヘリコイドユニットの組み合わせでも使用可能です。

PB-4をほぼ縮めたこの位置でEL-NIKKOR 135mm F5.6は無限遠が出る

だいたいベローズだと、この位置で無限遠が出ます。
ちなみに、ヘリコイドユニットとFマウント→M42→L39と変換させているため、組み合わせによってはベローズの縮具合は変化します。
写真のカメラはD810ですが、そのままではベローズに当たってしまうため、ボディとベローズの間には、エクステンションチューブのPK-12を挟んでいます。
この状態でライブビューで像を拡大してピントを追い込むこともできます。

▼EL-NIKKOR 135mm F5.6のf8無限遠撮影
EL-NIKKOR 135mm F5.6のf8無限遠撮影

このレンズは開放がf5.6と、撮影用レンズよりも暗いですが、その分絞り開放からの解像力は高いです。
上の写真はf8まで絞って撮影しましたが、ここまで絞ると周辺まで驚異の解像力です。
このレンズはf5.6, 8, 11, 16, 22, 32, 45と絞りが設定できますが、撮影で使用するのであればf5.6~16あたりが良さそうです。f22以上絞ると、回折の影響で解像力が低下します。


もちろんベローズを伸ばせば、マクロ撮影も可能です。

Nikon PB-4 + EL-NIKKOR 135mm F5.6をGITZOのフルードジンバル雲台に載せる

ここでは、ベローズのPB-4をGITZOのフルードジンバル雲台にセットしてみました。
まさかGITZOのフルードジンバル雲台にベローズを載せてしまう人間は、世界にそう居ないでしょうね(笑)
本来は望遠レンズやフィールドスコープを搭載するためのものですから。
GITZOの中の人も想定外のはずです。ですが、PB-4は頑丈ですからそれなりに重く、自由雲台でも緩めすぎるとガクンと傾いてしまうこともあるので、ジンバル雲台のほうが安心感はあります。
もちろん、この組み合わせだと、カメラボディを目一杯ジンバルのアームに寄せても、重心バランスはカメラ側になってしまいます。
それでも、ガクンと傾くことがないので、自由雲台や

フルードジンバル雲台とPB-4、サイズ的にアームに当たらないか心配でしたが、大丈夫でした。
この組み合わせなら、そこそこ下向きも上向きでも撮影できるので、本来の使い方ではないかもしれませんが、割と良い組み合わせかもしれません。

▼EL-NIKKOR 135mm F5.6 f8ほぼ等倍撮影
EL-NIKKOR 135mm F5.6 ほぼ等倍撮影

135mmの等倍撮影では、ベローズを目一杯伸ばしてほぼ等倍です。レンズ自体は、より長いベローズでさらに高倍率撮影もできそうですが、そこまでくるとベローズというよりは、専用のマクロ撮影装置が必要でしょう。Nikonならかつて販売されていたマルチフォトとか。
流石にそんな装置は場所をとるので、ベローズまでが庶民の所業でよいでしょうね。

▼EL-NIKKOR 135mm F5.6 f8等倍からちょっと引いた写真
EL-NIKKOR 135mm F5.6 等倍からちょっと引いた写真

どうでしょう。中望遠レンズというのもありますが、なだらかなグラデーションを描くボケ味、なかなかです。

このカラフルなのは、枯れてしまったカーネーションの代わりに、先日から我が家にやってきた五色トウガラシです。
熱くて強い日差しでも育つそうです。反対に寒さは苦手なので、冬は越せないかな…。
ちなみに一般的な赤くてしわしわなトウガラシと違って、こちらはあくまで観賞用で食べられないそうです。

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