AI Nikkor 24mm f/2 元箱取説付き2019年05月12日 07時50分

フィルムマニュアルに、広角も欲しいなと思い、探していた広角レンズ。
元箱付きが、相場のよりお安く手に入りました。

●AI Nikkor 24mm f/2
AI Nikkor 24mm f/2

元箱付き! 40年以上前のレンズが、なんと奇跡の元箱付き。
通常、元箱付きはコレクターズアイテムになることも多く、そこそこの値段がするのですが、こいつに関してはなぜか、想定よりかなり安く落札できました。自分でもびっくりですが、オークションではたまにあるんですよね、タイミングでしょうか。

しかも、このレンズは、所謂AI-Sレンズではなく、SがつかないAIニッコールと呼ばれるもので、1977年から80年代前半までしか販売されていない、過渡期なレンズです。
AI-Sレンズの解説は、有名な「決定版(?) ニコンFマウント解説」のHPに記載があるように、プログラムAEやシャッター優先AEで、絞りリングを操作せずとも、ボディ側で設定した絞りまで絞り込めるように対応させたレンズで、1980年以降順次AI-Sニッコールにマイナーチェンジされています。

このAI Nikkor 24mm f/2は、1977年10月に発売され、その後1981年12月には、AI-S化されたAI Nikkor 24mm f/2Sにバトンタッチされています。
AI-S化にあたっては、光学系の変更はないため、今となってはF4など対応ボディでもない限りは、AIレンズとAI-Sレンズの使い勝手の差は、それほど大きくはなさそうです。

ちなみにAI-S化されたAI Nikkor 24mm f/2Sは、その後2005年までの長きに渡り販売されため、球数はf/2.8系よりは少ないものの、探せばそれなりに中古市場には出回っています。恐らく90年代にはコーティングがスーパーインテグレーテッドコーティングに変更されているはずです。
逆に、AI-SではないAI Nikkor 24mm f/2は、中古市場でも少なく、まして元箱付きともなると、それなりに希少でしょうね。

Nikon Photomic FTNに装着したAI Nikkor 24mm f/2

Nikon Photomic FTNによく似合いますね。
f/2と当時としては大口径な広角レンズであり、2005年に販売終了後は、しばらくFマウントの24mm単焦点ニッコールレンズには、f/2.8までのものしかありませんでしたが、2010年により大口径のAF-S NIKKOR 24mm f/1.4G EDが、2015年には大口径だがリーズナブルなAF-S NIKKOR 24mm f/1.8G EDが登場しています。

また、f/2.8の24mmについては、Yamaroもかつて所有していたAI AF Nikkor 24mm f/2.8Dや、1981年から発売されているマニュアルのAI Nikkor 24mm f/2.8Sも、未だ現行品で、実は今のNikonには4種類の24mm単焦点がラインアップされていることになります。

とは言え、新しい2本のGタイプレンズは、マニュアル一眼レフでは絞りリングがないため実質使用できないため、マニュアル機ではf/2が最も大口径となります。

カニ爪でもAI方式でも使用可能

Photomicファインダーでは、旧来のカニ爪連動により、絞り値を露出計に伝達できますし、AI方式ですから、AI方式以降のフォトミックファインダーや、AI方式対応のAFフィルム/デジタル一眼レフでは、AIガイドにより絞り値位を伝達できます。

手持ちの一眼レフでは、最も古いPhotomic FTNから、F2 Photomic、F90X、F100、そしてD810やD850といったデジタル一眼レフまで、露出計が連動します。露出計を使用できませんが、D5x00やD3x00などエントリー一眼レフでも撮影可能です。
したがって、AIレンズやAI-Sレンズは、ある意味Fマウント最強の互換性を持ったレンズと言えます。
なので、最近はAFレンズより、AIレンズに興味があるわけで。

取説保証書付き

元箱だけでなく、当時の取説やタグまであります。これだけでコレクターズアイテムですね。
保証書も、最初のオーナーの物がついてきました。昭和53年12月12日に、銀座のウツキカメラで購入されたようです。時期的に、ボーナスが入って購入したんでしょうね。寮に住んでいた独身の男性…という感じですね。
もちろんこの寮は、Googleマップで見たところ現存しませんでした…。
ちなみにウツキカメラも十数年前に閉店したそうです。

AI Nikkor 24mm f/2

D850で試写してみました。
レンズは光学系は驚くほどキレイで、ヘリコイドが若干グリス抜けによるスカスカ感あり、これはOHで改善可能です。
外観は、やや墨入れが薄くなっている程度で、割りかしきれい。40年以上前の製品とは思えないですね。

絞り開放では、中心部はオールドレンズとは思えないほど解像力、コントラストは高いですが、周辺はコントラスト低下し、収差が多いです。ただ、収差が多いだけで、解像力はそこそこあります。
絞るに従い、周辺も改善していき、f8~f11でピークに達します。
周辺減光は、開放では多く、f4まで絞ると周辺減光はほぼなくなります。

基本中心部は解像力があるので、周辺部をどう作画に生かしていくかが、このレンズの使いこなしでしょう。
まずはフィルム機で試そうと思います。