Nikon D810の電子先幕シャッターの効果は?2014年11月11日 23時58分

Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8Dを手に入れてからというもの、マクロ撮影もそれ以外もまた一段と楽しくなり、当初スライドコピー用として買ったにもかかわらず、気が付けば普段の撮影にも持ち出すことが多くなりました。

さて本題。
せっかくMicro-Nikkorを手に入れたわけですから、マクロ撮りを楽しみたいわけですが、せっかく3630万画素もあるD810、出来る限り高画素を生かせるくらいシャープに撮影したい。
ごくわずかなブレが解像感低下につながります。

とあるHPに、「一眼レフはミラーショックが大きいから、その高画素を生かせない、これからはミラーレスの時代云々…」なんて堂々と謳っている記事がありましたが…。ミラーレスとてメカニカルシャッターがある限り、振動と無縁ではありません。
むしろ、そのメカニカルシャッターの振動がやたらと大きいミラーレス機もありますから…。
こういう一方の欠点だけを挙げて、もう一方を褒め称えるような記事は好きではありませんし、客観性に欠けますね。


ところで、D810は、極限までブレを軽減するために、NikonのFマウントデジタル一眼レフでは初めて、電子先幕シャッターを搭載しました。
電子先幕シャッターとは、イメージセンサへの露光を、機械的なシャッターではなく、電気的に行う事で像を得ることができます。
ではデジカメではメカニカルシャッター不要じゃん!と思うかもしれませんが、実はこの電子シャッターには、ローリングシャッター歪という、現在多く使われているCMOSセンサの特性上、避けられない欠点があります。
露光時、一般的CMOSセンサのデータは順次読み出しになるため、画像の上と下では、露光するタイミングにずれが生じてしまうのです。これは、静止したものの撮影では問題ありませんが、動いているものを撮影すると、被写体が歪んで撮影されてしまいます。
このため、現代のデジタルカメラは、まだメカニカルシャッターを搭載する機種が多いです。
この辺りの突っ込んだ話は、検索すればいくらでも出てくるのでこの辺で…


前置きが長くなりました。

Micro-Nikkor 60mmでマクロ撮影を行う前提で、メカニカルシャッターと電子先幕シャッターで違いは出るか? 検証してみましょう。
三脚は、SLIKのPRO 803CFです。カーボンの比較的軽量なものなので、この手のテストにはピッタリかと(笑

・・・・・

スミマセン、Micro-Nikkor 60mmでの撮影では、差がわかりませんでした!

マクロ撮影では、通常シャッターと電子先幕シャッターとで、明確な差がわかりませんでした。


気を取り直して…AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRIIで再度チャレンジすることに。

2m程度先のテストチャートを撮影。VRはOFF。フォーカスはライブビューで厳密に合わせた後に、MF固定。
露出はMモードで固定。
三脚は目一杯伸ばし、エレベーターも目一杯伸ばして、ブレが発生しやすい環境に整えました(笑

全て画像中心を等倍切り出ししています。


●通常撮影(ミラー動作あり・メカニカルシャッター)
通常撮影


●静音撮影(ミラー動作あり・メカニカルシャッター)
静音撮影


●露出ディレーモード(ミラーUP1秒後メカニカルシャッター)
露出ディレーモード


●電子先幕シャッター(ミラーUP・電子先幕シャッター)
電子先幕シャッター


こうして並べると、4通りもやり方があるのですね。
静音撮影を入れたのは、このモードではミラーの動きを遅くして、動作音を軽減しているので、これがブレにどう影響するかも確認したかったからです。

結果としては、わかりづらいですが、わずかに差があるように思います。
一番ブレが目立つのは、静音撮影。露出ディレーと電子先幕シャッターは、差がわかりません。

このテストでは、大きな差は感じられませんでした。
D810は、D800よりシャッターやミラーの振動をより抑えた設計となっていますので、通常撮影でも、微細なブレが抑えられていると思います。

とは言え、静止物の厳密な撮影では、電子先幕シャッターを使うメリットはあるでしょう。

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