Nikon歴代のAFサンニッパ2014年10月02日 23時29分

次望遠レンズを買うとしたら何が良いか。

現状のAF-S 70-200mm f/2.8G ED VRIIにテレコンという体制から、将来的にもう少し焦点距離の長いレンズを追加したい、という考えから、まず浮かんだのが以下の案。

・AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
・SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports

80-400mmは、Nikonを代表する動きモノ撮影に欠かせない望遠ズームレンズ。
初代80-400mmは、NikonのFマウントレンズ初のVRを搭載したレンズとして長く君臨、現行の二代目は、待望のAF-S化を果たしたレンズで人気。
画質も、70-200mmにテレコンを使うより良好とのことで、純正レンズでもあり信頼性も高く、候補の筆頭でした。
ただ、70-200mmと焦点距離がかぶるのが気になります。

SIGMAの150-600mmは、焦点距離が長いので、これを1本追加すれば、満足度は高そうです。最近のSIGMAは、純正に勝るとも劣らない画質で、現時点ではまだ発売されていませんが、期待できそうです。
純正レンズではないので、歪み補正は使えませんが、用途的に歪みが気になることもないとは思います。
ただ、信頼性や耐久性の面では、やはり純正に分があるでしょう。


ズームレンズ、近年は画質が向上したものの、やはり望遠域は単焦点レンズの並外れた解像力と画質も魅力。ズームレンズを買っても、望遠端での使用が多い、となると、画質に長けた単焦点レンズの方が良いのでは、と思うように。
実際、ズーミングしながらの撮影は、フレーミングがおろそかになりがち。単焦点であれば、フレーミングに集中できるのでは、ということから、サンニッパかサンヨンを導入した方が良いのでは?

ただ、サンヨンのほうは、現行品はVRのない少し古い設計で、これはVR化を待ちたいところ。画質は古いけど非常によいとの評価。

一方、サンニッパは、やはりプロやハイアマチュアの定番望遠単焦点レンズだからか、数年毎にモデルチェンジされて改良されています。つまり、中古を含めると、選択肢は非常に多いです。

ということで、今後の選択の為の記録として、ここいらで唐突に、AF化されて以降のNikonの歴代サンニッパをまとめてみました。


●Ai AF Nikkor 300mm F2.8S IF-ED(1986)
Ai AF Nikkor 300mm F2.8S IF-ED

AFが初めて搭載されたF501や同期に発売されたレンズ。
光学系は、1977年に発売されたAiレンズと同等。
ボディ内蔵モータによるAFとなる。このレンズは実家にあり、使ったことがありますが、さすがにAFは速くはないですが、遅すぎて困るという印象でもない。
ただし、当初からレンズ内蔵AFモータを採用したCanonよりは遅く、これを機にCanonへ移行したスポーツカメラマンが多かったとのこと。
古いレンズですが、画質はなかなかどうして悪くなく、現代でも十分通用します。ズームレンズとは一味じがったワンランク上の描写が楽しめます。
三脚使用前提で、AFをそれほど重視しないなら、このレンズでも十分。

中古価格は概ね10万円台半ば。古いので、タマ数は少なくなりつつあります。

ちょうど、D300で撮影した作例がありますので、掲載しておきます。


●Ai AF Nikkor 300mm F2.8S IF-ED(New)(1988)

F4と同時期に発売されたレンズで、上記レンズのA-M切り替えリングのデザインが変更されたもの。
外装デザイン以外は、前のレンズと同じ。

こちらも中古価格は概ね10万円台半ば。やはり古いので、タマ数は少なくなりつつあります。


●Ai AF-I Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)(1992)

この代から、ボディ内蔵モータに。現在の超音波モータ搭載のAF-Sレンズの前身。
光学系は新設計となり、最短撮影距離が、3mから2.5mに改善。
ボディ内蔵モータとなったため、AFに対応できるボディは、当時F4以外に、F90やF70と限られていました。
また、この代からDタイプ化(距離エンコーダ内蔵)され、対応ボディでは露出制御精度の向上が期待できます。
AF-SレンズよりAF速度が劣る上に、すでにAF-I用モータの補修部品は払底しているようで、AFモータが故障した場合は修理不可能です。これが怖くて、このレンズは手を出しにくい嫌いがあります。

中古価格はおおむね10万円台半ばから後半。やはりタマ数は少なくなりつつあります。


●Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)(1996)
Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)

F5が登場した同時期に発売されたレンズ。当時最新の5点AFと秒8コマ連写に対応すべく、AF駆動に超音波モータを搭載し、高速AFを実現。
鏡胴にAFロックボタンを配するなど、よりAFボディでの使い勝手が向上。
光学系も新設計。
重量は3.1㎏と、歴代サンニッパで最も重い。
ライトグレーの設定あり。

中古価格は20万円台後半から30万円台。この代になると、現在でもAF速度も十分なため、中古市場でも人気があり、タマ数も多めです。


●Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D II(IF)(2001)
Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D II(IF)

D1Xが登場し、デジタルカメラがいよいよ本格的になり始めた時期に発売されたレンズ。
最短撮影距離が2.5mから2.2mと短くなったほか、鏡胴にマグネシウム合金を採用し、重量が従来の3.1㎏を大きく下回る2.56㎏へと軽量化された。
光学系は前型と同じ。
引き続きライトグレーの設定あり。

中古価格は30万円台前半。


●AF-S VR Nikkor 300mm f/2.8G IF-ED(2005)
AF-S VR Nikkor 300mm f/2.8G IF-ED

手振れ補正機構VRと、フレアやゴーストを極限まで抑えるナノクリスタルコートを採用。デジタル一眼レフの普及に伴い、等倍での確認が容易となり、ブレに対する要求がシビアになってきた時代に登場。
この代より絞りリングのないGタイプ化された。
重量は2.87kgと増加した。

中古価格は30万円台半ばから40万円前後。


●AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VRII(2010)
AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VRII

VRは4段分の補正が可能なII型となり、より手振れ補正が強力になった。A/M(オート優先オートフォーカス)モードを搭載。光学系は前型と同じ。
重量はやや増えて2.9㎏となった。

新品価格は60万円前後。中古価格は50万円前後。



ここまで見ると分かる通り、ほぼ数年毎に新型に置き換えられているのが分かります。
これに比べると、サンヨンはAF化されたS型、AF-Sが搭載されたDタイプと、たったの2本しかありません。
如何に、サンニッパが時代に合わせて最新技術を詰め込んで、プロやハイアマチュアの要望に応えているかが分かりますね。

現行品は2010年発売で、来年あたり次期モデルが登場してもおかしくないです。
次期モデルは、先ごろ発売されたAF-S NIKKOR 400mm f/2.8E ED VRに習って、恐らく重量の軽減が図られ、電磁絞りを採用するのでは、と推測されます。

電磁絞りが採用されれば、対応ボディはまた制限がかかりますが、実質このレンズのユーザーは古い機種を使わないでしょうから、あまり関係ないかもしれません。


中古で狙うとしたら、やはりVRは欲しいので、AF-S VR Nikkor 300mm f/2.8G IF-EDの良品なら、30万円台後半。とはいえ、高価な買い物には違いないので、お金を貯めてじっくり吟味したいと思います。