F200EXR vs P7000 高感度編2011年06月25日 23時58分

ちょっと間があいてしまいましたが、前回のダイナミックレンジ編に続き、今回は高感度時の画質の比較です。

今回に限っては、圧縮率以外、解像度も落とさずカラー補正も一切無い状態を掲載します。
したがって、画像が大きく重くなっていますが、ご了承ください。
いずれも、露出補正なしです。

●ISO1600
F200EXR ISO1600 EXR SNモード
データ:Fujifilm F200EXR + FUJINON 6.4-32mm f3.3-5.1 EXR SNモード(f3.3 1/9) 6.4mm

P7000 ISO1600
データ:Nikon COOLPIX P7000 + NIKKOR 6.0-42.6mm f/2.8-5.6 ED VR Aモード(f2.8 1/3.6) 6mm

露出の出方がずいぶん違いますね。F200EXRはかなり暗いです。
またF200EXRはEXR SNモードのため、画素数が600万画素に抑えられています。EXR独特の処理で、偽色がほとんど発生していませんし、解像感もかなり残っています。
P7000は通常のCCDらしく、幾分偽色の発生があり、解像感も若干失われているように感じますが、画素数を落としていないためこんなものでしょうか。

それにしても、一昔前のカメラと比べると、高感度耐性はずいぶん向上していますね。


●ISO3200
F200EXR ISO3200 Pモード

データ:Fujifilm F200EXR + FUJINON 6.4-32mm f3.3-5.1 Pモード(f3.3 1/9) 6.4mm

P7000 ISO3200
データ:Nikon COOLPIX P7000 + NIKKOR 6.0-42.6mm f/2.8-5.6 ED VR Aモード(f2.8 1/6.5) 6mm

スミマセン、F200EXRの写真は完全にピンぼけですね。このカメラ、無限遠設定が不可能なため、このように暗い状態ではピントが合わないことが多いのです。
そしてF200EXR、独自のEXR SNモードはISO1600まで、ISO3200以上は通常のP/Mモードで設定可能となります。
一気に偽色が発生しているのがわかりますね。ただしノイズの出方は、普通のベイヤー配列のセンサのカメラと異なります。これもまた独特のノイズです。
P7000もさすがに解像感が低下してきていますが、ISO1600では出ていた偽色の発生が、不思議と抑えられています。ノイズリダクションの設定でしょうか?

どちらのカメラもさすがに緊急用と言ったところですが、L判定度のプリントやWeb掲載目的ならまだ使えるかな、といったところでしょう。


●ISO6400
F200EXR ISO6400 Pモード

データ:Fujifilm F200EXR + FUJINON 6.4-32mm f3.3-5.1 Pモード(f3.3 1/20) 6.4mm

P7000 ISO6400
データ:Nikon COOLPIX P7000 + NIKKOR 6.0-42.6mm f/2.8-5.6 ED VR Aモード(f2.8 1/16.2) 6mm

F200EXRでは、再び画素数が600万画素に。これはISO6400時の制約です。
さすがにここまで来ると、偽色もノイズもひどく、画素を押さえてはいても使用に耐えないです。
ディテールも失われていて、Web用途でも厳しいでしょう。
P7000も、ISO6400とは呼ばず「ISO3200から1段増感」とあるように、常用感度ではなく緊急用としています。
それでも、画素数を落としていないので、わずかながらP7000のほうが高感度耐性はあると判断してよいでしょう。
ここ2,3年でコンパクトカメラの高感度耐性は格段に進歩したと言えるでしょう。



●超高感度(~ISO12800)
F200EXR ISO12800 Pモード

データ:Fujifilm F200EXR + FUJINON 6.4-32mm f3.3-5.1 Pモード(f3.3 1/45) 6.4mm ISO12800

P7000 ISO3849 ローノイズナイトモード
データ:Nikon COOLPIX P7000 + NIKKOR 6.0-42.6mm f/2.8-5.6 ED VR ローノイズナイトモード(f2.8 1/8.5) 6mm ISO3849

こちらは参考までの掲載。
F200EXRはISO12800まで選択が可能で、このときは3Mピクセルに制限されます。
ここまで来るともう絵として成り立っていません。サムネイルでも分かるものすごいノイズ、潰れたディテールなど、ISO12800まで対応とカタログに載せるために作ったモードでしょうね。
残念ながら、実用性は皆無です。
P7000は、手動で設定できるのはISO6400まで。ローノイズナイトモードの設定することで、画素を3Mピクセルに抑えた上で、感度を状況に応じて、最大ISO12800まで感度アップするモードです。
今回の状況ではISO3849という中途半端な感度になっています。画素を抑えているため、ノイズ感のない絵になっていますが、ディテールは若干崩れていますね。どうしても手持ちで撮らなければならない夜間撮影には使えそうです。


そんなわけで、ISO1600までは、EXR SNモードのあるF200EXRが若干有利ですが、画素を削っていることを考えると、両者の差はそれほど大きくはないようです。
それより、同じ状況でこうも露出や絵作りが違うのかとびっくりです。

以上、両者を簡単に比較してみましたが、F200EXRはコンパクトながらフジのCCDの集大成を結集したフルオートのカメラ、P7000は弄りがいのある上質なカメラということで、甲乙付けがたいですね。
撮る楽しさは、圧倒的にP7000です。

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