F200EXR vs P7000 ダイナミックレンジ編2011年06月14日 22時44分

COOLPIX P7000を買ってからというもの、FinePix F200EXRはすっかり使う気をなくし、あっさりとオークションで売却、昨夜旅立っていきました。

本当はもう少し両者を比較テストしてから売却しようと思っていたけど、長期出張でろくにテストもできず時間だけが過ぎていきそうな気がしたので、さっさと売却してしまいました。

そんなわけで、テストも簡単なものです。
が、両者の傾向が見て取れるテストでした。


まずはダイナミックレンジです。
Fujifilm FinePix F200EXRは、フジフィルム独自のスーパーCCDハニカムEXRを採用、特にダイナミックレンジについては、低感度素子と高感度素子を分けることで、画素数は半分になるものの、コンパクトデジカメとしては驚異的なダイナミックレンジの広さを誇ります。一眼レフ並み、それ以上との声も聞かれるくらいです。

対するNikon COOLPIX P7000は、ソニー製と思われる1000万画素1/1.7型CCDを採用、このCCDは主にコンパクトデジカメの上位機種に採用されています。
ダイナミックレンジ拡張については、ニコンの一眼レフと同様のアクティブDライティング(ADL)を備えています。
これは、まず白とびを抑えるため、ADL未使用時よりも露出を抑えます。そして抑えた分、黒潰れしてしまいそうな暗所を持ち上げることにより、ダイナミックレンジを確保しています。

両者の異なったアプローチでのダイナミックレン拡張、さて実写ではどうなるでしょう?
いずれの写真もホワイトバランスはオート、露出補正なし、画像は解像度をWeb用に落とした以外は修正はかけていません。

DRモード200%
データ:Fujifilm F200EXR + FUJINON 6.4-32mm f3.3-5.1 EXR DRモード(f14 1/220) 32mm
DR拡張:200%

アクティブDライティング 標準
データ:Nikon COOLPIX P7000 + NIKKOR 6.0-42.6mm f/2.8-5.6 ED VR Aモード(f6.3 1/1453.4) 37mm
アクティブDライティング:標準

アコードのリアガラスの反射(洗車してなくて汚ねー)の比較。
ヒストグラム上は、どちらも反射の強い部分は飛んでいますが、どちらも白とびは比較的少なめです。
F200EXRのホワイトバランスはかなり青っぽくなっているのがわかります。中間色も若干暗め。
P7000はホワイトバランスもコントラストも自然な感じがします。



DRモード800%
データ:Fujifilm F200EXR + FUJINON 6.4-32mm f3.3-5.1 EXR DRモード(f9 1/125) 6.4mm
DR拡張:800%

アクティブDライティング 強め
データ:Nikon COOLPIX P7000 + NIKKOR 6.0-42.6mm f/2.8-5.6 ED VR Aモード(f4.5 1/850) 6mm
アクティブDライティング:強め

何でこんなの?ってな蛍光灯の写真。我が家の台所のです(笑
日中テストがほとんどできなかったため、こんなのしかありません。

こちらもヒストグラム上では、両者とも白とびはほとんどありません。F200EXRはともかく、P7000もここまで粘るとはなかなか優秀です。
ただ、暗所で差が出ました。F200EXRは暗所部もなだらかなヒストグラムでしたが、P7000は暗所になるほどヒストグラムにがたつきが出ています。これはNikon D300でも似た傾向があります。
これは、感度を使い分けたCCDを採用し、元々のダイナミックレンジが広いF200EXRに対し、P7000は暗所を持ち上げているため、極端に暗い個所(明暗差の大きい個所)では諧調が破綻してしまうためです。

一番わかりやすい違いは、蛍光灯の光が当たった天井部分。
F200EXRは明るい部分から暗い部分へ諧調が保たれているのに対し、P7000は縞状の諧調の境目が見えます。

ホワイトバランスは、F200EXRが緑被りを残しているのに対し、P7000は緑被りは感じません。
ただし、ほぼ一発でAFが合うF200EXRと比較して、P7000はこの写真ではAFが合いづらいのが気になりました。AFについてはF200EXRのほうが優秀です。


総合すると、ハイライトの露出を抑えつつ暗部補正するP7000は、絶対的なダイナミックレンジはないものの、その処理はなかなかうまく見た目の画像もすっきりしています。撮って出しの絵がそのまま無補正でも使えます。
一方、F200EXRは圧倒的にダイナミックレンジは広いものの、不安定なホワイトバランスと、ガンマカーブの出し方に不満が出ます。撮ってだしの絵をそのままプリントするのは若干抵抗があります。

両者の得手、不得手が出ていて、どちらがいいかは一概に言えませんね。

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