Zよりこっちのほうが気になる AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR ― 2018年08月26日 07時02分
Nikon Z6, Z7ボディ、私なりの意見を書きましたが、Twitterなり様々なメディアでの、プロやアマチュアの意見を総合すると、最初のボディだし、α7だって最初はイマイチだったでしょ、という話もありますし、XQDシングルスロットも、これはプロ向けのカメラではない、まずはアマチュアが広げて欲しい、というスタンスの話もあり、なるほどと思った次第。
Yamaroの場合、どうしても連写バッファの少なさとバッテリ持ちの悪さが気になってしまい、後発でこれはないよなぁと思ったけど、別に連写撮影メインでなければ、そこまで気にはなるものでもないかな? バッテリは連写に関係なくもうちょっと頑張ってほしかったですが。
それよりも、発表されたわずか3本のレンズの素晴らしさは、昨日書いたとおりで、Nikonがやりたかったのは、連写だのAFだのよりはむしろ、口径の小さいFマウントの呪縛から解き放たれて、光学設計の自由度が増したことにより、やりたいことを妥協なくやっているということではないでしょうか?
さて、そんなZマウントレンズですが、Fマウントレンズも継続的に開発するという発表がありました。
それを証拠に、今回同時発表となったのが、表題のAF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VRです。
望遠レンズの場合、光学的にミラーレスのフランジバックの短さは、それほどメリットにはならないこと、Zマウントカメラのフラッグシップ機はまだ発表されていないこと、まだまだ望遠レンズ撮影のシチュエーションでは一眼レフが主流であることから、望遠レンズは大型・長焦点距離を中心に、まだしばらくはFマウントも開発されるのだと思います。
いわゆる単焦点の長玉は、Zマウントフラッグシップ機が出てからでしょう。
そういえば、AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VRIIのみ、Eタイプ化されていないんですよね。人気のサンニッパ、フラッグシップボディと共に登場するのではと予想。なので気長に待ちましょう。
ちなみに、ZボディにFマウントアダプタでのFマウントレンズ使用、AFの制約はないようなので、Fマウントレンズを買うことを躊躇する必要はないですね
話がずれてしまっていますが、AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VRは、PFの表記の通り、位相フレネルレンズを使用することで、大幅に小型軽量化を実現しています。
既に、AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VRでその驚異的にコンパクトなレンズを実現していますが、さらなる長焦点化されたのが本レンズです。
そのコンパクトさは、AF-S NIKKOR 500mm f/4E ED VRとの比較でも明らかです。
全長も重量も、AF-S NIKKOR 500mm f/4E ED VRの約半分です。
当然f値も違うので、同列には語れませんが、ほぼAF-S 70-200mm f/2.8E PF ED VRと変わらない重量(サイズは500mm f/5.6Eが一回り大きい)なので、ハンドリングがとても楽なんですよね。ごく普通のカメラバッグに入ります。
一方、開放f値が5.6というのは、テレコン使用は厳しいものがあります。
HPには、
AF-S TELECONVERTER TC-14E III(別売)使用時も非使用時と同等の光学性能を達成しています。
と書いてありますが、それよりもx1.4テレコン使用で、実質開放f値はf8相当になるため、AFセンサ的には、一眼レフで中央部(D850で中央付近の15点のみ)となり、AF速度や精度は1段明るいf/4E ED VRより不利になります。
500mmの場合、私のような戦闘機撮りにとっては、テレコンで500mmか、700mmかの画角調整をすることは多いと思われ、テレコン使用時のAFがどの程度性能低下するかが気がかりです。
そこは、ある程度妥協が必要になるのはしかたないですが、値段は1/3、重量は1/2、素の状態での使用なら、画質はf/4E ED VRに負けない本レンズは、かなり魅力がありますね。ズームでは超えられない画質の壁がありますから。
ですから、私の気がかりは、テレコン使用時のAFがどの程度使い物になるか、ですね。
VRは4.0段分補正で、十分でしょう。300mm f/4E PFの4.5段分には負けますが、あのレンズは相当にVRの効きが良いですから。
▼AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VRのMTF曲線
実に見事なMTF曲線図で、AF-S NIKKOR 500mm f/4E ED VRに勝るとも劣らない性能ではないでしょうか?
ほんの僅か、画面周辺で解像度がf/4Eより落ちる程度で、ほとんど誤差範疇です。当然、ズームレンズのAF-S 200-500mm f/5.6E ED VRより格段に優れていることは言うまでもありません。
これぞ、単焦点調望遠レンズですね。
発売は9月14日で、後半月、まだニコンプラザでの展示はありませんが、展示されたら試しに行ってみたいと思います。
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