SIGMA 150-600mm Sportsはフィルム機で使えるか? ― 2015年09月23日 23時57分
"ニコンF6、キヤノンEOS-1V 以外のフィルムカメラではご使用になれません。"
との記載があります。
果たして本当なのか? 現行機種のフィルム一眼レフ以外は使用できないとのことですが、では実際に手持ちのフィルム機Nikon F100とF90Xで試してみましょう。
なお、この時点でレンズのファームウェアは、Fマウント用でVer1.02です。
F100はともかく、F90Xは流石に現存する個体が少なくなっていますし、ボディ側で絞り設定ができないし手ブレ補正は動作しないので、需要はないと思いますが…。
●Nikon F100とSIGMA 150-600mm Sports
F100のデザインは、現在のNikon Dシリーズのデザインに基礎にもなっているので、この組合せには何ら違和感ありませんね。では実際に動作するか、テストしてみました。
・AF:通常通り動作しました。
・OS(手ブレ補正):通常通り動作しました。
・OS(手ブレ補正):通常通り動作しました。
あれれ、ちゃんと動きますね。AFもOSも、きちんと動作しますし、フィルムは装填していませんがシャッターも切れました。
もちろん絞りの設定も可能ですし、F100ではフル機能で使えるようです。
ただし、レンズをズームするにつれて、開放F値がf5.6を超えてくる、すなわちf6~6.3では、暗い場所でのAF動作は少々怪しいです。
SIGMAはフィルムカメラ全盛期から、既に望遠レンズの望遠端の開放F値がf6.3になるレンズを出していましたが、Nikonのフィルム機、というより当時のAFカメラのAFは、開放F値がf5.6までしか動作保証していませんでしたので、それよりF値が暗いと、AF速度と精度の低下が出てきます。
晴天下でコントラストがある被写体ならほぼ問題とならなかったものの、少々暗い場所では怪しくなります。
とはいえ、使えることは使えるようです。
●Nikon F90XとSIGMA 150-600mm Sports
恐らく、世界広しといえど、今時F90XにSIGMA 150-600mm Sportsを取り付けて使おうなんて輩はいないでしょう(笑)
ただ、取り付けてみると案外しっくり来るのは、F90Xは古いけどF4に次ぐ中級機の貫禄でしょうか。
F90Xは、F5が出る以前の機種で、F5以降の2ダイヤル(普及機除く)操作ができない機種です。
絞りの設定は絞りリングの操作でしか出来ないため、絞りリングのないレンズでは実質PモードかSモードでしか使用できません。AやMでは最小絞りになってしまいます。
また、前述の通り、このボディではレンズ側の手ブレ補正機構は動作しません。これもF5以降の機種からなんですよね。手ブレ補正ユニットに給電できない仕様なのかな?
・AF:通常通り動作しました。
・OS(手ブレ補正):動作しませんでした。
・OS(手ブレ補正):動作しませんでした。
F100の結果から、こちらは予想通りでした。ちゃんとシャッターは切れました。
つまり、SIGMA 150-600mm Sportsは、Nikon純正のGタイプレンズと同等と考えて良さそうです。
F100と同様、ズーミングにより開放F値がf6~6.3でAFの速度と精度低下が見られます。
ただ、高感度のフィルムも減っている現在、仮にこのレンズをフィルム機で使うとしても、屋外での撮影になりますから、AFについては何とかなるでしょう。
ただ、フィルム機で使うなら、Nikon純正のAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRが…と書きかけて、Eタイプだからフィルム機で使えないじゃん、と気づきました。
今後発売されるNikonの望遠レンズは、ほぼ間違いなくEタイプ化されるでしょうし、SIGMAなどのサードパティメーカーもその流れになっていくと思われます。
もう望遠連写撮影はほぼデジタルになっていますが、飛行機撮影に行くと、まだフィルム機を使っている人もチラホラ見かけるので、600mmクラスでフィルム機で新し目のレンズで、となると、このSIGMAの150-600mmは選択肢の1つに入るのではないでしょうか。
※注意
ここでの検証は、あくまで執筆時点での話で、今後レンズのファームウェアアップデートでフィルム機で本当に使えなくなる可能性も無いとはいえないので、動作保証をするものではありません。
SIGMAも、恐らく現行機以外のフィルムカメラでは動作確認をしていないため、使用できないとの書き方をしているのでしょう。
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