V37スカイライン350GT試乗2014年07月08日 23時20分

スカイライン350GT Hybrid Type P
試乗すると楽天ポイントがもらえる、というキャンペーンに誘われて、日産のV37スカイラインを試乗してきました。

V型に移行した35・36系スカイラインは、デザインもコンセプトもそれほど好みではなく、あまり気にしたことのない車でした。
でも、今回のV37は、結構好きなデザインなんです。V36に似ているけど
よりアグレッシブにした感じがいいです。
当初は3.5Lのハイブリッドのみでしたが、メルセデスと共同開発の2Lターボも追加されたことで、パワートレインそのものも気になる存在に。

排気量2L超になると、自動車税も高くなりますし、3.5Lの税金は卒倒します(汗
せっかくハイブリッドなのに、3.5Lのエンジンとの組合せって…。V37のハイブリッドは、燃費の為のハイブリッドではないというのは明らかですが、日本の事情には合わないのでは。せめて2.5Lにしてほしかった。

さて試乗車、本当は2Lターボに乗りたかったけど、試乗車の都合で、3.5Lハイブリッドの、350GT Type Pとなりました。レーダーブレーキサポートなど標準装備し、ホイールはベースグレードと同じ17インチの、中間グレード。一番売れ筋だそうです。
さすがに最上位のType SPともなると、19インチホイールとなり、維持費もかかりますからね。カッコいいけど。


まずは、内装や装備の説明がありました。
内装は、まずシートのレザーの質感はまぁまぁ。座り心地やホールド感も適度。
メーターは、メーターリングの縁取りがおもちゃっぽく、もう少し落ち着いた質感が欲しい。
ソフトパッドの使い方はなかなか。ドア周りの内装もよくできていると思います。
インパネの形状は、液晶表示を2段にしたいかにも最近の車らしいけど、ここもデザインが好みではないです。
座面は、前乗っていたアコードよりも低く感じ、いかにもスポーティなセダンに乗った印象。というか、昔はこんな視線が当たり前だったんだよなぁ…と元セダン乗りは懐古してみたり。

リアシートはさほど広くなく、背の高い人なら膝が前のシートに当たるかも。リアは乗り降りもしづらく、あくまでメインは全席というドライバーズカーの印象を与えます。
パーキングブレーキは、足踏みON/OFF式で、ここは高額車なのだから、電子制御化してほしかった。


では、出発~。

まずすぐ気が付いたのは、アクセルペダルが少々重たい。なんだかあまり踏み込むなよ、と抑制されているような感触。
HVなので、そろりと走り出しても、EV走行でエンジンはかからない。
少々重たいアクセルをゆっくり踏み込むと、予想に反してなかなか加速しない。そこでもう少し踏み込むと、素晴らしい加速と共にエンジンが目覚めた。
そう、スカイラインHVは、あくまでエンジンが主体で、HVは加速のためのアシストと言ってよく、そのためか、いかにもHVといったような乗り味ではない。
アコードHVのように、エンジンはかかれど、発電の為であって、高速走行時以外エンジンはタイヤと直結しないのとは別。

また、エンジンがかかりだしたときの感触も、気付いてタコメーターを見ると回転が上がっていて、この辺りのつなぎのうまさはなかなかの物。エンジンも大排気量ゆえに、回転も大きき上がらず静かで、ここもアコードHVでは、静寂の中エンジンがかかりだすと、途端にエンジン音が車内を包みこむのとは大違い。
さすがに値段の差だけあります。

このことをセールスマンに指摘すると、
「アコードは多分モーターの弱いマイルドハイブリッドだからじゃないですかね。こちらはちゃんとしたハイブリッドですから」と、どうやらアコードのHVシステムについては無知な様子でした。まあ車格が違うので比較対象にならないから、ライバル視していないのでしょうけど、ちょっと不勉強かなと…。

とにかくHVから想像する不自然さはなく、トルクは十分感じ、さらにエンジンもよく回るので、トルクはあるけどスポーティではない、というHVによくありがちな特性では決してないですね。


さすがに3.5Lだけあり、HVであっても実燃費は10~12㎞/hとのこと。
もちろん、一昔前3.5L車から比べれば、50%以上向上しているので、無駄というわけではないけれど、その代償としてトランクは狭く、ここはアコードHVやカムリHVに劣る印象。FR車なので、トランクは不利ですね。

走り出して違和感があったのはハンドリング。
一見、BMWのようなクイックで遊びのないダイレクトなハンドリング…と思いきや、細かい舵角修正をすると、わずかにハンドルを動かしただけで、それ以上に曲がる印象あり。神経質なくらい遊びがない、というよりも、わずかに回しても反応がない割に、そこからが急にクイックになるので、細かい修正ではリニアさに欠ける印象あり。これは、SPORTモードでは顕著。都内の狭い道では気を使ってしまい、早々にNORMALモードに戻す。

V37スカイラインHVでは、ハンドルがタイヤに直結しておらず、バイワイヤにより、ハンドルにはエンコーダを搭載し、ハンドル舵角を電気信号でステアリングアクチュエータに送ることで、電子的に操舵制御できるのがウリ。ダイレクトアダプティブステアリングと言うそうな。
これはECU制御で、クイックなハンドリングからスローなハンドリングに如何様にもセッティングが可能、さらに路面の荒れなどの外乱をハンドルに伝えない、といったことも可能になるという。
が、やはり初めての技術ですから、まだ煮詰めが甘い印象がありますね。
せっかくの動性能が、ハンドリングでスポイルされているような気がします。

足回りは、街乗りではすべてわからないけど、ちょっと荒っぽいアクセルやハンドルでも懐が深く、ゴツゴツしないし、ボディ剛性もあって不快な振動やゆすられ方もなく、なかなかの物。

ミッションは7AT、7段マニュアル機構はついているものの、元々トルクが大きくパワーのあるエンジンで、あえてマニュアルモードで走ることもないですね。変速レスポンスも、思ったより速くないです。


全体的な印象としては、かなりよく仕上がっているが、ハンドリングだけは要改善、といったところでしょうか。
ま、500万円オーバーな車なんか買えないですけどね(笑

でも、こうなると気になるのは、メルセデスと共同開発の2Lターボエンジンモデル、200GT-tなんですよね。