Nikon D4S 発表 無償現像ソフトCaptute NX-Dも2014年02月25日 23時59分

本日、日本時間13時きっかりに発表されましたNikon D4S。


Nikon D4S


画素数は据え置きながら新型となったイメージセンサと、EXPEED3から30%高速化されたEXPEED4プロセッサ搭載により、常用感度は1段分アップのISO25600まで、拡張感度はISO409600まで対応。JPG出力画像の高画質化も謳っています。
AFは、51点据え置きのままですが、グループエリアAFが追加、動画は4Kではありませんが、フルHDで60p/50pに対応。
背面液晶は色の調整も可能になりました。

全体的に見ると、地味ながらD4の実績を踏まえたNikonらしい改良を行ったと言えるでしょう。
連写速度はライバルのCanon EOS 1Dxの12コマ/秒にに追い付きませんでしたが、AFの改良がEOS 1Dxにどれだけ迫れるかが注目です。


そしてびっくりなのは、予想だにしなかった新しいRAW現像ソフト、Capture NX-Dの発表でしょう。

Capture NX-D

これまでNikonのRAW現像ソフトは有料でしたが、ついにこのCapture NX-Dは無償化されるようです。最近Captute NX2買った人は寝耳に水でしょうね(汗

早速ダウンロードしインストール。

Capture NX-Dのサムネイル画面

機能的には、Capture NX2の大方の機能は網羅されている反面、Captute NX2最大の特徴でもあるU Point は搭載されていません。
U Pointlは、画像の一部のエリア、あるいは特定の色といった部分を修正加工可能な優れた機能で、Captute NX2の売りの1つでもありました。
このU Point、もともとNik Softwareが開発したもので、それをNikonがライセンスを得てCapture NX2に搭載していましたが、現在、Nik SoftwareはGoogleに買収されており、もしかしたらライセンスの関係上、新しい
NX-Dには搭載されないかもしれません。
そうなると、NX2ユーザーからすれば、NX-Dは機能を省かれてしまうことになり、魅力が下がってしまいますね。

ベータ版は、ユーザーからの意見も吸い上げて、正式版に向けて改良が入るはずなので、ユーザーはぜひ声を大きくして、U Pointに相当する機能を載せていただきたいです。

ただ、サイトのQ&Aにあるように、

Q U point機能(部分編集)を今後搭載する予定はありますか?
A いえ、搭載予定はありません。
サポートのために効果がかかった状態で画像を開いて表示することまでを今後のバージョンで対応検討中です。 

検討中であって、搭載される保証はない。
自動レタッチブラシ(ゴミ消し機能)は、特に重宝していましたし、なくなるのは嫌ですね。

NX-Dの正式版が出た段階で、NX2のサポートが切れてしまうようですが、NX2自体が使えなくなるわけではないので、NX-D正式版の出来次第では、しばらくCaptute NX2を使い続けるしかないですね。
ただ、NX-D正式版発表以降に発売されるNikonのカメラのRAWファイルは、Capture NX2ではサポートされません。
いずれは、NX-Dを使うことになるのです。


今回出たベータ版は、Capture NX2からいろんな機能が欠落していて、さらなる改善を行わないことには、とてもCapture NX2の後継にはなりえません。
夏に出る正式版までに、機能を充実させてほしいです。

こうしてみると、NikonのCapture NX2が有償ソフトだったのは、U pointが占める割合が大きかったのかもしれませんね。ぜひともNX-Dでは、U point同等の機能を搭載してほしいです。


とは言え、インストールしてみてちょこっと使った限り、悪いことばかりではなく、良い点も幾つか。
まず、ソフト自体がビュアーも兼ねていて、表示自体がView NX2よりも速い。
そしてRAW現像でも、設定した項目が即座に画像に反映され、Capture NX2のように処理時間が長く、少し時間が立たないと反映されないという欠点が解消されています。

Capture NX2は、とにかく重いソフトで、現時点で最新CPUでもある、Core i7の第4世代を積んだマシンとて、決して処理は速くなかったので、この点は評価できます。


>これまでのNEF、NRWというファイルに直接処理内容を書き込むファイル形式から、調整内容を別ファイルとして管理するサイドカーファイル形式の保存により、RAWファイルを非破壊のまま、カメラ撮影時状態のファイルをそのまま温存することが可能です。 

Captute NX2では、編集し保存を行うと、完全にファイルを書き換えて保存されていました。
これがD800のように、1枚50MBもあるようなファイルだと、最新PCでも保存に時間がかかっていましたが、サイドカーファイル形式になって、実際編集や保存動作は軽くなっています。
ただ、別ファイル化による管理の手間もなくはないでしょうね。

Capture NX-Dのパラメータフォルダ

実際、RAW現像すると、現像したファイルの直下に、"NKS_PARAM"というフォルダが生成されます。
フォルダに入ると…

パラメータフォルダ内の調整情報ファイル

このように、編集した調整情報が、元ファイル名.nksという拡張子で保存されます。
これにより、元のRAWデータはそのまま保存されるという仕組みです。



あと、気になるのがフィルムスキャナNikon Scanで作成したRAWファイルの扱い。
実は、View NX2もCapture NX2も、Nikon Scanで作成したRAWファイルの読み込みと表示が可能です。ただし、そのRAWファイルをCaptute NX2で編集してしまうと、Nikon Scanでの編集は行えなくなります。

Captute NX-Dはというと、Nikon ScanのRAWファイルは開けませんでした!
これもマイナスポイントですね…