本来はD600後継機? Nikon D750発表2014年09月13日 11時58分

Nikon D750
昨日、金曜日の13時(木曜13時発表が多いので、金曜は珍しい)に、Nikonから新製品発表がありました。
かねてから噂になっていた、D750。

D750、そのネーミングにより、様々な憶測が交錯しました。

Nikonには、かつてD3ジュニアと呼ばれた、D3と同じセンサを搭載し、最大秒8コマ連写が可能だったD700(2008年発売)という名機が存在しました。今でもD700を愛用するハイアマチュアは多く、この機種の後継機をずっと求めていました。
ところが、2012年登場したのは、連写の遅い高画素機のD800、コンセプトがまるっきり変わったカメラであり、D4ジュニアと呼ばれる機種は発売されず。
かつて、20万円台で買えたFX機のD700、DX機のD300/D300sは、いずれも秒8コマ連写可能でしたが、現在秒11コマ連写可能なD4S以外では、D810のDXクロップで秒7コマが速いほう、という現状。
そんな中、D750というネーミングは、D700後継機を髣髴とさせるものであり、Nikonファンは期待したのです。
書く言う私も、D810ベースのボディで、2400万画素の8コマ連写機であれば、かなり理想的な一眼レフになるだろうと思っていました。

ところが、ふたを開けてみると、D750、どちらかというと、D610の後継機ですね。
D610後継機として見ると、Wi-Fiを内蔵しつつ、10gですがD610より軽量化され、AFが新型51点になるなど、バランスのとれたスペックアップと思えるでしょう。
アイピースシャッターのない角型ファインダだったり、シャッターが1/4000秒まで、シンクロ1/200秒、10ピンターミナルやシンクロターミナルがないなど、D810の低画素版、というには、ちょっと厳しい。
もちろんスペックだけで語っても仕方ないのですが、こういうカメラって、"このスペックならこういうのが撮れそう、こういうシステム拡張が出来そう"という夢や憧れを抱かせなければ、商売として厳しいですよ。Nikonのマーケティングは、その辺りどう考えているのでしょう?

元々、D600のダスト騒動で、大した変更もなくD610にモデルチェンジ。これがNikonの想定外の誤算と思われ、仮にD600のまま今まで発売されていれば、時期的にモデルチェンジしてもおかしくないですから、このD750も、本来ならD600後継機の「真のD610」として出ていたかもしれません(あくまで私の推論)。
D6x0にしておけば、ここまでガッカリ感を味わわなかったと思うのですが。

さて、真のミドルクラス連写機は、果たしてNikonから今後出る余地はるのか? 現状では、限りなくなさそうですね…。
CanonからEOS 7D MarkIIが秒10コマ連写とか、全点クロスセンサの65点AFとかの噂が聞こえてくると、Nikonファンとしては羨ましく思えてきますね。

D610、D750、D810の比較表を掲載しておきます。

D610 D750 D810
発売年 2013年10月 2014年9月 2014年7月
フォーマット ニコンFXフォーマット(35.9x24.0mm CMOS) ニコンFXフォーマット(35.9x24.0mm CMOS) ニコンFXフォーマット(35.9x24.0mm CMOS)
有効画素数 2426万画素 2432万画素 3635万画素
画像処理エンジン EXPEED3 EXPEED4 EXPEED4
ファインダ 視野率約100% 倍率0.7倍 視野率約100% 倍率0.7倍 視野率約100% 倍率0.7倍
アイポイント:21mm アイポイント:21mm アイポイント:17mm
オートフォーカス 39点(中央9点クロスセンサ、7点はf/8対応) 51点(中央15点クロスセンサ、11点はf/8対応) 51点(中央15点クロスセンサ、11点はf/8対応)
マルチCAM4800(-1~+19EV) アドバンストマルチCAM3500II(-3~+19EV) アドバンストマルチCAM3500FX(-2~+19EV)
連写速度 約6コマ/秒 約6.5コマ/秒 約5コマ/秒 (MB-D12使用時:DXクロップ最速約7コマ/秒)
測光 2016分割RGBセンサ 91kピクセルRGB
ハイライト重点測光搭載
91kピクセルRGB
ハイライト重点測光搭載
ISO感度 ISO100~6400
(拡張:ISO50~25600)
ISO100~12800
(拡張:ISO50~51200)
ISO64~12800
(拡張:ISO32~51200)
ミラーアップ撮影 対応 対応 対応
シャッター速度 1/4000~30秒(X:1/200) 1/4000~30秒(X:1/200) 1/8000~30秒(X:1/250)
アイピースシャッター 非内臓(アイピースカバーDK-5付属) 非内臓(アイピースカバーDK-5付属) 内臓
視度調整 -3~+1 m-1 -3~+1 m-1 -3~+1 m-1
対応レンズ Gタイプ:対応Dタイプ:対応AF-S/AF-I:対応VRレンズ:対応Aiレンズ:対応(開放f値登録でマルチパターン測光可)Auto Nikkor:非対応(Ai改造にて対応) Gタイプ:対応Dタイプ:対応AF-S/AF-I:対応VRレンズ:対応Aiレンズ:対応(開放f値登録でマルチパターン測光可)Auto Nikkor:非対応(Ai改造にて対応) Gタイプ:対応Dタイプ:対応AF-S/AF-I:対応VRレンズ:対応Aiレンズ:対応(開放f値登録でマルチパターン測光可)Auto Nikkor:非対応(Ai改造にて対応)
コマンドダイヤル 2ダイヤル 2ダイヤル 2ダイヤル
インターバル撮影 対応 対応 対応
動画撮影 1080/30p (720/60p) 1080/60p 1080/60p
内蔵マイク モノラル ステレオ ステレオ
オートブラケティング 対応 対応 対応
多重露出 対応 対応 対応
HDR 対応 対応 対応
スピードライト(フラッシュ) 内蔵(i-TTL BL調光対応)
オートFP発光対応

外部SBにてi-TTL BL調光に対応
内蔵(i-TTL BL調光対応)
オートFP発光対応

外部SBにてi-TTL BL調光に対応
内蔵(i-TTL BL調光対応)
オートFP発光対応

外部SBにてi-TTL BL調光に対応
シンクロターミナル 別売のホットシューアダプタAS-15にて対応 別売のホットシューアダプタAS-15にて対応 内蔵
10ピンターミナル - - 内蔵
モニタ 3.2型約92万ドット 3.2型約122.9万ドット 3.2型約122.9万ドット
USB USB2.0 USB2.0 USB3.0
記録媒体 SD(SDHC/SDXC UHS-I)ダブルスロット SD(SDHC/SDXC UHS-I)ダブルスロット CF(UDMA7)+SD(SDHC/SDXC UHS-I)ダブルスロット
Wi-Fi 別売のワイヤレスモバイルアダプター WU-1bにて対応 内蔵 別売の通信ユニットUT-1+ワイヤレストランスミッターWT-5にて対応
防塵・防水対策 - 対応 対応
バッテリ EN-EL15 EN-EL15 EN-EL15
撮影枚数 約900コマ(EN-EL15使用) 約1230コマ(EN-EL15使用) 約1200コマ(EN-EL15使用)
重量(バッテリ+カード含む) 約850g 約840g 約980g

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