ハイブリッドファインダー…ではなかったNikon Df2013年11月05日 22時15分

今日はNikon Df発表の話題を取り上げないわけにいかないでしょう。
Nikonらしからぬティーザー広告でずいぶんとカメラファンを振り回し(笑)、デザインやスペックに賛否両論の中のデビュー。

Nikon Df ブラック&シルバー

シルバーボディも設定されました。これ、チタンボディだったらよかったのになぁ。


Nikon Df 正面

正面のスタイルは、往年のNikon F3に似たペンタプリズムに旧Nikonロゴ、フロントコマンドダイヤルはこれまでのNikon一眼レフから向きを変えて、違いをアピール。


Nikon Df 上面

上面のスタイルは、ダイヤルを主体とした、ちょうどNikon F4や京セラ時代のCONTAXの一眼レフを髣髴とさせるデザイン。
F4の世代では、ちょうどAFやプログラムオートなど、カメラの自動化が進みつつあった過渡期だけに、旧来のシャッタースピードダイヤルなどがまだ残っていたわけわけですが、あえてこのアナログな操作系を採用したことが、このカメラの真骨頂です。
これまでのNikon一眼レフの操作性を否定する、という向きもあるようですが、専用のダイヤルでシャッタースピードや露出補正、感度を設定するということは、視覚的にどの設定にしているかが瞬時にわかります。
液晶表示は、サイズ控えめです。


Nikon Df 背面

背面は、従来のデジタル一眼レフのデザインを踏襲していて、ここだけはフィルムカメラにはないデジタルカメラ固有の部分であるのと、コスト面から、あえて大胆には変更しなかったと思われます。
アイピースがD610と違い丸窓(ただし小型化の為かアイピースシャッターはなく、アイピースカバーで対応)なのも嬉しいですね。
にしても、もう少し「らしさ」が欲しい気もしますが、これはLeicaにも言えることですしね。


Ai以前のレンズも使用可能で、Ai連動ガイド可倒式になっているのが、Nikon F5以来(F5は標準で固定式、メーカーにて有償で可倒式に交換で対応)17年ぶりの対応です。
今でも、Ai化以前のオートニッコールと呼ばれる初期のFマウントレンズは中古で数多く流通していますから、これらレンズが使用できるのは何ともうれしいことです。
もっとも、Nikonは装着不可としていますが、Ai連動ガイドがボディにない、D5000系やD3000系、D40系のカメラでも、オートニッコールは装着可能だったりしますが…。

カタログには、
>レンズの絞りリングで設定した絞り値をサブコマンドダイヤルでカメラにもセットして撮影することで、開放測光による適切な露出が得られます 。

とあるように、絞りリングで絞り値を設定後に、さらにコマンドダイヤルで設定したf値にするという二重操作が必要で、さすがにカニ爪ガイドを復活させるには至らなかったようです。センサでカニ爪の位置を検出する…なんてのはやっぱコストがかかるか(汗


ケーブルレリーズ取付可能

ケーブルレリーズにも対応。そういやF80でも対応してたっけ。デジタルカメラには新鮮だな(笑
個人的には、直線基調で専用ダイヤルなどアナログな操作性を提供しつつ、変に懐古主義に走っていないデザインで、なかなかと思いました。
某掲示板では否定的意見が多かったですが、ゴチャゴチャ言う人に限って買わないですから(この辺りはやたらスポーツカーにうるさい割に買わない車好きと同じ)、Nikonは堂々とこのデザインを追求すればよいと思います。
ダイヤルの配置も、うまくまとめていますね。
露出に関連するISO感度設定と露出補正ダイヤルは左側へ、シャッタースピードやAEモードダイヤルは右側。
中には合理的じゃないとか言っている方がいますが、そもそも合理性を求めた結果が、Nikon F5から現在まで続くボタン+コマンドダイヤルの操作系なわけですから、合理性を求める方は、素直にD800やD610を買えばいいんですよ。
合理性を求めた一眼レフと、あえて操作する楽しみを残したカメラ、どちらもラインアップされていて、ユーザーが選択できるのは素晴らしいことです。

値段もD800より少し高めの27万円から。
その割にD600系のシャッターやAF…なんて意見もありますが、金型や部品コストがかかるダイヤルを新規製造したわけですから、その分が価格に転嫁されているわけです。
ここは仕方ないかな。


ただ…残念だったのがファインダですね。
ここを話題にされている方が意外と少ない。ハイブリッドファインダを搭載するという噂は外れ、ごく普通のファインダ。これもD600系の流用と思われます。
残念でなりません。せめてEVFを内蔵するといったギミックは載せずとも、せっかくオートニッコールも使えると謳うなら、せめてファインダ倍率を上げて0.75倍程度にしてほしかった。スクリーンマットも更にピントの山が見やすいものが欲しかった。
もちろん、シームレスにOVFとEVFを切り替えられ、フォーカスポイントをEVFで拡大表示してピントを追い込む…なんてのができるのが理想ですけどね。
ここは次の課題でしょう。

Nikon DK-28

コンパクトに作りたかったんだろうけど、せめてアイピースシャッターは欲しかったな。
アイピースカバーって、D300でもそうでしたが、結局使わないんですよね。