気になるquattro2014年06月12日 22時03分

SIGMA dp2 quattro

最近発売が気になっているカメラがある。
それは、D800Sではない。SIGMAのdp2 quattroなのです。本日、6月27日に発売されることが発表されました。。

まもなく発表されるであろうD800Sは、D800Eのマイナーチェンジ版と予想され、あっと驚くほどの改良が入るわけでもなさそうですし、今持っているD800で十分満足しているし、2年毎に二十数万円のカメラをポンポン買い替える財力はなく、次買うとしたら、まだ3、4年先でしょう。

それよりも、今まで使ったことのないジャンルのカメラを使ってみたい。
一般的なベイヤー配列のセンサではなく、独特の物。これまで使ったことのある独自のセンサと言えば、FujifilmのスーパーハニカムCCD EXRセンサのF200EXRのみ。
他となると、真っ先に思い浮かぶのが、SIGMAのFoveon X3センサのカメラでしょう。
RGB3層を重ねた独自のセンサにより、同画素数のベイヤー配列センサでは得られない、高い解像感と諧調が得られるとあって、1度は使ってみたいカメラの1つ。

ただ、Foveonセンサを搭載したSIGMAのDPシリーズは、使い勝手の面ではネガティブな意見も多く、これまで購入には至りませんでした。

・良くも悪くも独特の色彩…これは初期のDPシリーズがそうだったようですが、Foveonセンサも代を重ねるごとに、色再現性も改善してはいます。とはいえ、感度を上げるほどにバランスが崩れる傾向は未だあるようです。

・洗練されていないメニューと操作性…こちらも代ごとに改良されていますが、Merrillでもまだ垢抜けない感は多少ありますね。

・高感度耐性がない…改善されてはいるものの、依然一般のセンサには大きく負けています。が、あくまで低感度でじっくり撮るカメラ、ということでしょう。室内撮影は厳しそうです。

・暗所AF性能が悪い…明るい場合はかなりよくなっているけど、Merrillでもまだ暗所AF性能はいまいちのようです。

・フラッシュ別売り(Merrill)…そもそもフラッシュ撮りするようなカメラではないか。

・処理速度が遅い…扱うデータ量が大きいため、撮った後待たされるようです。

・バッテリが持たない…予備バッテリは必須。

・純正RAW現像ソフトがしょぼい…大手カメラメーカーほどソフトに金をかけられないのでしょう。かと言って、独自センサ故、社外品ソフトもない。

・FujifilmのX100、RICOHのGR、Nikon COOLPIX Aなど、APS-Cセンサをもつ単焦点コンパクトカメラが充実してきた…使い勝手の面では、どうあがいても大手メーカーのカメラには敵わない。



そしてquattroです。まず発表された時は、ぶっ飛んだデザインに驚かされました。
薄く横長のボディ、前面はなく後ろ側に飛び出したグリップ、板に取り付けたような太めの鏡胴のレンズ、まさにほかにない個性的なデザインです。

これまでのDPシリーズは、こう言ってはなんですが、ただのもっさりした四角い箱で、デザイン性ははっきり言ってほとんどなく、吐き出す驚愕の絵とは裏腹に、何とも所有欲がわかないものでした。質感は悪くないのですが。
Foveonセンサが載っていてあの絵が出るから、あのもっさりデザインでも皆さん許してたのだと解釈します。
今回のquattroのデザインは、万人受けするものではなく、バッグへの収まりも悪そうですが、個性的で自己主張がはっきりしたデザインと言っていいでしょう。
周りに何と言われようが、慣れれば持ちやすい合理的デザインだぞ!というSIGMAの主張がはっきり表れていますね。今までが没個性すぎのデザインだったので、これはこれでよいと思います。


価格も、予約受付価格は10万円をわずかに切る価格。。
Nikon 1 V3もレンズキットで9万円近くしますし、FijifilmのX100Sも10万円近いわけで、この中判並みの解像度と諧調が得られるDPは、決して高価なカメラではないのです。
ソニーのRX1はとても買えないけど、DPシリーズなら買えなくないのです。

ただ、DP2 quattroは焦点距離が45mm相当、35mmが常用レンズの自分には、若干画角が狭い。
かと言って、DP1の28mmは結構広角なので、スナップにはいいですが、もう少し長いレンズが欲しいかな。35mmがないというのも、今までDPシリーズを買わなかった理由の1つでもあります。

SIGMAのサイトに作例も掲載されています。しかし、何で鳥ばっかなのだ?
http://www.sigma-global.com/jp/cameras/dp-series/gallery/

解像感は十分あるものの、F13って、絞りを絞りすぎのような…。回折による解像度低下があるでしょう。
あと、まだ発色やカラーノイズもあるなど、新しい4:1:1配列のセンサをうまく使いこなせていない印象も受けます。発売までに改善できるといいのですが。
何で風景写真とか載せなかったのか?


D800ユーザーとしては、ベイヤー配列3600万画素の解像感を超える勢いのDP2 quattroはとても気になるぞ、というお話でした。
でも、かなり制約の多いカメラでもあり、果たして自分の撮影スタイルに合っているかどうか…。