D3400用タブルズームレンズ2019年10月04日 06時06分

D3400用に、Twitterのフォロワーさんから安く売っていただきました、新世代のエントリーDXズームレンズ2本。
いずれも、D5000では初代のVR付きを使っていました。



D3400+AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

一眼レフ用のレンズでは珍しい、沈胴型のズーム標準レンズです。
Lボタンを押しながらズームリングを回すことで、レンズが繰り出します。

外観は如何にも安っぽく、例えば銘板は、以前は文字が凸型に立体表記されているものでしたが、このレンズは平面なシールが貼られているだけです。
思いっきり割り切ったレンズです。
マウントもプラで、かなり割り切られています。ただ、プラマウントが採用されたのは、初代のDX 18-55もそうでしたから、実用上は問題ないのでしょう。
最近のプラスチックは頑丈で、昔のように簡単に割れませんし、レンズ自体が軽量であること、レンズ交換頻度も、このクラスのレンズのユーザーは、そもそもカメラにつけっぱなしで交換しない人も多いので、これで十分なのでしょう。

VR(手ブレ補正)は4段分の補正が可能で、最近のミラーレスほどではないにしろ、かなり強力に効く感じです。

それよりもこのレンズ最大の特徴が、Nikonの一眼レフ用では初めてステッピングモータを採用したAF-Pレンズということでしょう。
ステッピングモータは、すでに販売終了したNikon 1シリーズのレンズが先駆けて採用していました。
また、フルサイズミラーレスのZマウントレンズは、現状全てステッピングモータを採用しています。

ステッピングモータは、パルス駆動により、シンプルな構造で、きめ細やか動作な制御と静粛性が特徴です。正確な位置決めが必要な装置のモータにはよく採用されています。
従来、安価なレンズに採用していた筒型超音波モータは、ギヤ経由による駆動となるために、ギヤの動作音が発生する、速度面で中級レンズ以上に採用されるリングタイプの超音波モータより駆動力が低くて速度が遅い、といった難点がありました。
ステッピングモータは、その難点をクリアし、近年スイッチング制御技術が進んで小型化・省力化も実現できるため、採用例が増えています。
モータの回転角度を、正確に安定して駆動できるため、動画撮影時のコントラストAFの制御もしやすいようです。
従来、静止画のみを考慮すれば、レンズ用のモータは、ピント位置まで何が何でも素早く動けばよかったのですが、動画の場合は速度よりも正確さと追従安定が求められるので、静止画と動画、異なる要求に対応するため、レンズ側も変化が求められています。
つまり、従来のスチル撮影のみ考慮したレンズのモータ制御では、動画撮影時にはスムーズに動かないのです。


技術面はこれくらいにして、なんと言っても、こんな安価なレンズなのに、AFが爆速! AF-Pレンズの特徴はこれに尽きます。
もう、従来の、筒型モータ採用レンズとは比較になりません。何なら、値段が1桁違う、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(リングタイプの超音波モータ使用)に近いくらい速いのです。

最近は、CanonもSTMレンズと称してステッピングモータを多く採用していますし、レンズが大きく素早いAFのため大トルクが必要な大型望遠レンズを除けば、今後はステッピングモータレンズが主流になるでしょう。
従来、NikonのエントリークラスのレンズはAFがやや遅く、Canonに負ける印象がありましたが、このレンズの登場で、その差が縮まったのではないでしょうか?

画質も、従来の18-55mmよりヌケが良いように感じます。解像力も十分にあります。メーカーHPのMTF曲線を見ても、初代DXズームと比較して、明らかに改善しています。

▼AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Wide側)
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Wide)

▼AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Tele側)
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Tele)


▼AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Wide側)
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Wide側)

▼AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Tele側)
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの性能曲線図(Tele側)

MTFだけではレンズは語れませんが、こうしてみると、改善しているのがわかりますね。

従来あったAF/MF切り替えスイッチやVRのON/OFFスイッチはなく、カメラ側のメニューで選択となります。
筒型超音波搭載レンズは出来なかったフルタイムMFも、このレンズは特に切り替えなく可能です。これも美点ですね。



D3400+AF-S DX NIKKOR 55-200mm f/4-5.6G ED VR

こちらも旧型AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-EDから更新しました。
といっても、このレンズも現行品ではないため、旧品なんですけどね。同じ焦点距離から後継機はなく、AF-P DX 70-300mmが後継機種を担い、D3500D5600のダブルズームキットの望遠レンズにも採用されています。
何故かコンパクトな55-200mmが廃盤なのは、ちょっと解せませんが、これはエントリークラスも今後はZマウントに移行するという示唆なのか?

それはともかく、こちらも望遠ズームでは珍しい、沈胴式を採用しており、格納状態では標準レンズ程度の大きさしかありません。

銘板もプリントしたシールが貼ってあるだけですが、このレンズにはA/MやVRのオンオフの切り替えスイッチがあります。
AFモータは従来の円筒形超音波モータで、フルタイムMFはできませんが、従来品よりもさらにコンパクトです。

これでフルサイズ換算300mmの望遠レンズなのですから、時代は進化したものです。
従来品より35g軽量ですから、持ち運びもしやすいですね。

画質もよくなっているはず…
MTFは大幅には変わりませんが、コンパクトにしつつ性能は若干向上している印象です。

これで、今度の子どもたちの保育園の運動会、妻も自分もカメラ2台体制で、計4台で撮影となります。

あとは、標準ズーム用にフードの調達ですね。純正は高いので、サード品を検討中。