Nikkor-S Auto 35mm 1:2.8の絞り開放2018年04月19日 06時38分

Nikkor-S Auto 35mm 1:2.8の絞り開放
Nikon Photomic FTN + Nikkor-S AUTO 35mm F2.8(後期) Fijifilm NEOPAN ACROS 100


Nikkor-S Auto 35mm 1:2.8(後期型)の話。

当時、50mmと共に広角寄りの標準レンズとして、よく売れたレンズだそうだ。
開放でF2.8とやや暗めで、大きなボケは期待できないが、得てしてあまり明るくない単焦点レンズは、あまり無理をしていない分、レンズ構成もシンプルかつ描写力も良いものが多いです。

ではこのレンズはどうかというと、Nikonの35mmにありがちな、パッと見はあまり華がないレンズというか、特徴的な描写はありません。
絞り開放では、少しコントラストが低く、柔らかな描写。

この作例では、夕方でISO100のレンズでは、手持ちで1/30秒のシャッタースピードを得るには絞り開放しかなく、仕方なしに絞り開放で撮ったわけですが、これがこのレンズの特徴をよく表した描写となりました。
ピントは手前の子供たちに合わせていますが、少し離れているため、背景ボケもそれほど大きくはなく、収差の影響で柔らかな描写。が得られています。

嫌味のない描写、というと少し変ですが、特徴的なボケ方や癖のあるボケ方でも無く、コントラストが著しく低いわけでもなく、ほんの少しだけコントラストが低い、そんな描写なので、ガンガンボカすとかではなく、ピント面もカリカリではないために、柔らかい描写が得られる感じです。

もちろん、絞ればそれなりにカリッとしますし、コントラストも上がりますが、カラーネガならともかく、モノクロフィルムであれば、これくらいの柔らかさが丁度よいかもしれません。

なるほど当時カラーフィルムはありましたが、まだまだ一般にはモノクロフォルムが常用されていた時代、あの当時の事情に合わせた特性だったのかもしれません。

リバーサルだとどのような描写になるかが気になります。
実はこのレンズでは、ほぼリバーサルを使ったことがなく、今度試してみたいですね。
でもしばらくはNEOPAN ACROSです。