シビックハッチバック(FK7)試乗2018年03月25日 07時57分

昨日は、妻と子供がお出かけしていたので、久々に試乗してきました。
将来クルマを買うとしたら、第一候補になるであろう、Hondaのシビックハッチバック、評論家の予想を裏切り(笑)結構売れているそうで、久々にHondaらしい楽しそうなクルマというのもあるかと思います。

久々に国内市場に帰ってきたシビックは、かつてはアコードと共にHondaのコンパクトカーの筆頭でした。
ワンダーシビック、ミラクルシビック、スポーツシビックと言われた世代は、本当によく見かけましたね。Hondaといえばシビックでした。

それが、ユーザーの嗜好の変化、日本よりアメリカで売れるようになり、北米主体のマーケティング、サイズ感となって、国内ではフィットがヒットしたのもあって、影が薄くなり、先代ではついに国内ではTYPE Rが750台限定販売されただけになってしまいました。

今回は、ステップワゴンなどに搭載されている1.5L VTEC TURBOエンジンを搭載し、ハッチバックはハイオク仕様のL15C型エンジンを搭載、最大出力134kW(182ps)と、かつて乗っていたアコードユーロRほどではないにしろ、それ以前に乗っていたCF4アコードSIRとほぼ同じ馬力、ターボなのでもちろんトルクは太いですし、ステップワゴンもこれが150psなの!?ってくらいに良い加速をしてくれるので、期待していました。

●エクステリア

シビックハッチバック(FK7)

シビックハッチバック(FK7)

これがTYPE Rでなくノーマルモデルなの?ってくらいにスポーティな感じです。悪くいうと、ちょいとガキっぽいですが、元々シビックは大人っぽくはないコンセプトなので、これはこれで。
試乗車は青いボディでしたが、これもなかなかキレイですね。ブラックもカッコイイですが、パールホワイトも捨てがたい…。

235/40R18の純正タイヤはGOOD YEARのEAGLE F1

タイヤは純正で235/40R18と大きめ。
GOOD YEARのEAGLE F1という、GOOD YEARの中では上級のタイヤでした。もちろん純正タイヤなので、市販向けとは違うとは思いますが。
18インチホイールは、正直オーバースペックというか、ブレーキローターが小さく見えます。まるでインチアップしたかのようですが、実際セダンの方は16インチが標準となっていて、ローターサイズも16インチなんでしょうね。スカスカ感が半端ないです。せめてもう1インチサイズアップしてくれないかな?
キャリパもHonda車らしく片押しですし、ブレーキに金をかけないHondaは今も健在。このあたりはSUBARUを見習って欲しいところ。


●インテリア

センターパネル

よく言えばシンプル、悪く言えば味気ないセンターパネル。ナビも日本向け仕様は専用品ではなく、2DINのディーラーオプションのみ。
逆に言うと、サウンドナビやサイバーナビ、彩速ナビなんかのように、オーディオにこだわったナビも載せられるのは利点。
専用品は、古くなってアップデートが終わるとお荷物ですからね。
エアコンは左右独立ではないタイプで、このあたりもアコードより劣る部分。

試乗車は当然CVT仕様でしたが、シフトレバーはシンプル、レバー回りの質感はプラスチッキーでいまいちでした。
残念ながら、オプションでも、シフトレバー周りの化粧パネルなどはなく、このあたりはカスタマイズかな?
サイドブレーキレバーはなく、電動パーキングブレーキというのも今どき。
なお、ECOボタンは乗った時にONにされていましたが、即切りました(笑

ハンドルとメーターパネル

ハンドルは本革巻きですが、かつて乗っていたアコードユーロRやSIRの、カチコチで革感があまり感じられず、劣化するとズタボロになる本革ではなく、もう少し柔らかく手に馴染む革になっているのは好感が持てました。
十字キーがついていて、メーターパネルの液晶画面の操作が可能。このあたりは今どきの車です。
そのメーターパネル、タコメーターも液晶表示と今どき。
ターボ車らしく、ブースト計も表示できますが、試乗で市街地走行時には、殆どブーストはかからなかったですね。当たり前か。

シートポジションを合わせると、ハンドル位置もピタリと決まり、好感度大。
視線もミニバンに慣れると低く感じ、コレコレって、かつてアコードに乗っていた頃の懐かしさを覚えます。

パワーウインドウスイッチの周辺は質感イマイチ

質感は全体的に硬質なプラスチックな感じが漂い、やはりアコードより格下を感じさせますが、一番残念だったのは、パワーウインドウスイッチのスイッチ周辺。コンパクトカーや軽自動車と変わらない質感で、せめてオプションで化粧パネル出てくれないかなと。
ホンダアクセスのオプションにも、ここの部分はパネル出ていないですからね。


●走行インプレッション

市街地走行なので、高速走行は試せませんが、まずエンジンをかけて感じたのは、アイドリングの微振動が気になりました。
これは暖気完了後も感じたので、そういうものなんでしょう。
アコードなんかは、CL世代以降は本当に静かになり、アイドリングの微振動は殆ど感じられませんでしたが、FK7シビックは微振動があります。ここは少々残念。

走り出すと、ハンドリングがかなり良い事に気づきました。
良い意味で欧州車的な、遊びが少なくハンドルとタイヤと地面がつながっているぞ、といったカッチリとしたハンドリング。
BMW E90の頃のような、遊びがなさすぎて街乗りでは神経質なハンドリング、というほどではないのも美点。
Honda車にありがちな、パワステのアシストが強すぎて、ハンドルがくるくる簡単に回ってしまう感触もなく、適度に重いのも好感触。

エンジンは、職場にあるステップワゴンのVTEC TURBOをさらにリファインした感触で、ざらつきはなく、音も割とスポーティ。
ターボラグは感じず、低回転からトルクが出ています。こういうターボなら違和感なくて良いですね。高回転まで回した時どうなのかが気になりますが、かつてのHondaの高回転高出力型エンジンとは別物、そんなに回さなくてもトルクが出てくれるので、楽ですね。楽しいかは別として。
ステップワゴンのVTEC TURBO、スペック上は150psですが、それ以上にパワーを感じます。特に高速走行でも伸びがよく、頭打ち感があまりない。なので、それ以上にパワーが出るシビックは、もっと期待ができそうなのです。

CVTだからか、パドルで変速して…ってのはやる必要性を感じさせません。
MT車ではどんな感じになるのかがとても気になります。


乗り心地ですが、18インチタイヤだからか、コツコツとした振動は感じます。街乗り主体なら、むしろ17インチのほうが良さそうです。ワインディングではどう感じるかですが、少なくとも街乗りだけなら、18インチはオーバースペックと感じました。
でもゆすられ感はなく、ダンパーもきちんと仕事をしていて、足回りも替える必要もなさそうですね。

そもそも、FK7/FC1シビックは、無限やホンダアクセスからサスペンションは発売されていませんし、昔ほどタイヤハウスのスカスカ感は感じないので、あえて車高を落とす必要もあまり感じないかな。

排気音も、極僅かですが聞こえてきて、アコードユーロRで感じていた、静かすぎてシフトタイミングわからない感はなさそうでした。


そんなこんなで、内装質感に不満はあるものの、運転感覚はこれぞHonda車、久々にスポーティなHondaが戻ってきた感じでした。
かつてのHondaファンは、こういうクルマを望んでいたわけで、この十数年、SIRやユーロRがなくなり、RSという名ばかりの外観だけスポーティモデルしかなく、ハイブリッドにうつつを抜かしてTOYOTAに勝てず…という迷走の時期だったHondaに、少しかつてのスポーティさが戻ってきたかな、そんな印象を持つモデルでした。

SIRにしろユーロRにしろ、そこそこスポーティ、けどちゃんとエンジンは手を入れていますよ、というのがHondaの良さだったので、NSXやS660のような極端なクルマだけでなく、実用性があってスポーティというのは、一番クルマ好きが望むモデルなんじゃないかと思います。
他メーカーも案外そういうモデルは少なく、そこも売れている理由でしょうか?


ちなみに、シビックハッチバックはHonda UK(イギリス)からの輸入となり、今注文しても納車半年以上、年内に納車できるかどうか、だそうです。
国内生産のセダンですら、納期2,3ヶ月と、そこまで売れることを想定していなかったことが伺えます。
いくらなんでも、TYPE Rならともかく、ノーマルのシビックが納車半年って遅すぎでしょう。
ハッチバックも国内生産しないかな? と思いながら、試乗記を締めさせていただきます。