福岡の光と影「丸源ビル」2016年07月21日 23時53分

先日のブログで触れた「丸源ビル」

たまたま見つけた廃墟ビル「上新川端ビル」の所有者が「丸源ビル」であることがわかった。
さて「丸源ビル」とはなにか? 自分も、名前を聞いたことがある程度の知識だったので、ちょっと調べてみました。

この丸源ビルのオーナーは「川本 源司郎」という、日本屈指の資産家であり、飲食ビル「丸源ビル」は高度経済成長期に発展し、最盛期で北九州市、福岡市、東京は銀座や赤坂、六本木になど60棟以上も所有していたそうです。

徹底した現金主義で、銀行も信用せずに、自らの手でお金の管理を指定たため、バブル崩壊後もなんとか乗り切ったとのこと。
しかしながら、ビル自体はバブル期までに建造されたものが多く、60棟以上所有していたビルの過半数は売却、現在所有するビルも、今では築年数が古くなっており、飲食業(いわゆるお水系のお店)の不景気もあって、近年ではテナント数も少なくなり、ビルによっては9割以上空室となっているようです。

さらに、最近はビルの管理をしておらず、廃墟同然になっているビルも多いようです。調べたところ、テナントの立ち退きは基本難しいため、入居者が出て行ってくれるよう、わざとそうしているとの噂も。
「上新川端ビル」が平成27年1月を持って警備会社から契約を解かれたのも、こうした事情が背景にあるのかもしれません。

川本氏自身も、2013年に巨額の所得隠しと脱税で逮捕されており、高齢で跡継ぎもないことから、近年は飲食ビルについては借り手の募集もせず、貸しビル業にへの興味が薄れているとの指摘もあり、自身が死んだら資産は国に接収されて終わり、それでいいと周囲に漏らしたともされており、今後の動向が注目されます。


ビルは一般的な建物と違い、メンテナンスを怠れば大事故にもつながりかねないだけに、今後川本氏が丸源ビルをどうするのか、ただ朽ちるに任せて、自分の死まで放置するのか?
丸源ビルが消防法違反で摘発されているニュースもあるなど、老朽化の放置プレーは深刻になりつつあります。

ただ、銀座の飲食ビルではない丸源ビルについては、退廃的ムードはなく今でもテナントがきちんと入っていて、現在の川本氏の収入は、ほとんどこの銀座で得られているのでしょう。



話を戻すと、「上新川端ビル」からほど近いところに、「丸源36ビル」が存在します。丸源○○ビルのところの数字が、建てた順番を示していて、このビルで既に36棟目というのがすごい。
看板は光っていて、ビルとしてはまだ現役で機能しています。

丸源36ビル

エントランスには、いかにもバブル期に建てました、的な趣味の悪いビーナス像?がいて、照明も老朽化していますが、シャンデリアがついています。

丸源36ビルのエントランス


看板を見ると、今でもそこそこテナントは入っているようです。
ただ、この「丸源36ビル」、実は既に川本氏がオーナーではなく、10年以上前に埼玉県の会社に売却されているそうです。

白とあずき色で、あずき色の上端がすぼんでいるデザインは、往年の丸源ビルらしい作りです。

丸源36ビル


福岡市で最も規模が大きいとされる丸源36ビル、さすがに中に入る勇気はありませんでした。
まあ普通にスナックとかが入ってるんでしょうけどね。