ついに発表されたNikon D5/D500 D3/D300以来のインパクト!?2016年01月06日 23時57分

不意を突かれました! D5は既にNikonから発売が予告されていましたが、まさか出るかどうかもわからなかったDXフォーマットの真打ち、D500が発表されるとは。

●Nikon D5
Nikon D5

●Nikon D500
Nikon D500


▼2007年のD3/D300発表時以来のインパクト

今回、本当に大きな変化がありました。
特に新しいEXPEED5による画像処理能力向上で、大幅な高感度耐性の向上、AFモジュールの刷新、4K動画、連写速度と連続撮影枚数向上、タッチパネル対応の236万ドッド液晶など、これはD2S/D200がD3/D300にモデルチェンジした時以来の大きなインパクトでしょう。
D500に至っては、そもそもDXフォーマットの高速連写機がD300S販売完了後、しばらく不在で、マーケティング的にもFXフォーマットがメインで、DXフォーマットの上級機は出ないだろうと言われていただけに、Canon EOS 7DIIのインパクトが相当大きかったのかな、と思います。
今回の発表、内容ともに、個人的にはD5よりもD500のほうがインパクトが大きいですね。

両機種とも2000万画素強で、もちろん連写速度はD5が上回るものの、D500もEOS 7DIIと同様10コマ/秒まで連写速度が引き上げられ、久々の連写番長復活です。


○高感度耐性向上
本当にぶっ飛びの高感度耐性となりました。高感度番長のSONY α7S IIをあっさりと超えてしまいました。拡張感度に至っては、センサの小さなDXフォーマットのD500ですら、フルサイズでかつ低画素のα7S IIを超えました。びっくりです。 どこのメーカーのセンサを使っているのか?

D5:ISO100~102400(拡張:ISO50~3280000相当)
D500:ISO100~51200(拡張:ISO50~1640000相当)

※参考
D4S:ISO100~25600(拡張:ISO50~409600相当)
α7S II:ISO100~102400(拡張:ISO50~409600相当)


○153点AF「マルチCAM20Kオートフォーカスセンサーモジュール」
従来比で3割ほど広くなったAFエリア、クロスセンサの数も99点となり、左右に広がりました。AFセンサは、D5もD500も同様で、従来の51点AFモジュールの「マルチCAM3500」がFXとDXフォーマットで別名称だったのが、完全統一されたのでしょうか?
特にD500はファインダほぼ全面にAFエリアが広がりましたが、不思議なのはクロスセンサの配置です。

マルチCAM20K(D500)
※Nikon D500カタログより抜粋

上の画像がD500のAFセンサの測距点ですが、赤い部分がクロスセンサなのです。中央と両サイドにクロスセンサが配列されているものの、何故かその中間はラインセンサなのです。ここまでやるなら、ほぼ全面クロスセンサに出来たような気はするのですが、何かしらの技術的課題があるのでしょうか?

とは言え、51点のうち、中央部の15点しかクロスセンサがなかった、2007年のD3/D300以来、改良されながら長らく使われてきたAFモジュール「マルチCAM3500」からは大幅に進化したと言えるでしょう。
AF専用エンジンを搭載したのも画期的です。


○D5は12コマ/秒(ミラーアップ時14コマ/秒)、D500は10コマ/秒の高速連写、RAWで連続撮影枚数200コマ
今回連写速度も向上し、D5はEOS 1DXと並びました。超えなかったのは残念ですが、ミラーがある一眼レフは、この辺りが物理的限界かもしれません。
D500も、EOS 7DIIと同様の10コマ/秒となり、これはNikonユーザーにとっては嬉しいですね。ボディ単体でもこの連写速度のようです。
14bit RAWで連続撮影枚数200コマを実現したのもすごいところで、連写中にバッファフルで連写速度低下、というシチュエーションも大幅に減るでしょう。

1点気をつけていただきたいのが、D5のCFモデルでは、連続撮影枚数200コマに達せず、その半分程度ということです。
高速連写のためにも、XQDカードは不可欠と思います。後で買い足せるカードのために、あえてCFモデルを選択する必要はないと思います。


○いよいよ本格投入のXQDカード
もはや、規格の古いCFカードでは、書き込み速度に限界が見えているのが事実。4K動画のようなビットレートの高い動画や、高速連写を続けて行う上で、より高速書き込みできるXQDカードは不可欠でしょう。
今回はあえてCFモデルを用意したD5も、次のモデルではXQDのみになるかもしれません。


○あえてDXフォーマット機を選ぶか? D810後継機や如何に?
今回、D500は全く予想外だったので面食らうとともに、では果たしてD500は買いなのだろうか?と思うところもあります。
D300Sから随分時間が経過し、NikonはFXフォーマットに力を入れているフシがありました。ここでD500を投入したところで、プロやハイアマチュアに一定需要があるD5と違い、連写が必要な一部のハイアマチュア向けのD500は、実際どの程度売れるかは未知数です。

D810後継機にも、間違いなく今回新開発されたAFセンサや測光センサ、EXPEED5が搭載され、高感度耐性も向上するとともに、連写速度も上がるのではないでしょうか?
例えば4000万画素超えしつつ、今より大幅に高感度耐性が向上すると共に、連写速度も上がるのではと思います。
DXクロップで秒8,9コマ程度出せれば、あえてD500を買うよりは、FX機を購入したほうが、画質やファインダの見やすさで有利です。

果たしてD500、売り上げにつながるか楽しみです。