【今さら企画】EPSON PX-G5300とPM-980Cを比較する2012年11月26日 22時32分

不良在庫品のPX-G5300を導入して、数十枚近くプリントしてみました。まだA3ではプリントしてませんが。というか、これからも刷る機会はあるのか?
長年使ってきた、染料系インクでは名機とまで言われたPM-980Cですが、さすがに10年前のプリンタで、Windows Vistaや7の64bit版に非対応、プリンタドライバが古く、最近のデジタル一眼レフの高色域、高ダイナミックレンジを生かした写真には、そろそろ限界を感じているのも事実。
2003年当時、まだデジタル一眼レフカメラは高価で、定価30万円のNikon D100が現役だった時代です。
また、PM-980Cのインクはつよインク以前なので、耐候性もここ数年の機種より劣るのも難点でした。と言っても、個人的に昔からインクジェットプリンタでプリントしたもので、アルバムに保管しているものは、ものすごく退色してしまったというものはないんですけどね。
PX-G5300は顔料系インクのプリンタで、未だ現行機種のA4プリンタ、PX-G930より新しく、インクも改良されています。
なので、今さらG930よりを買うよりは良いかなと考えた次第。ただ、欠点は、G5300のインクは、この機種専用なのです。
G5000やG5100は、基本的にPX-G930系と同じインクなので、比較的入手しやすいのですが、G5300用のインクは、小さいお店だと入手できないのです。
ま、そこはAmazonを使えば安くて早いからいいのですが。

さて、G5300を使ってみた感想。
よく、顔料系プリンタは、光沢感と鮮やかさ、粒状感に劣る、と言われています。
光沢感に関しては、わざわざ光沢を乗せるためのグロスオプティマイザがあるので、プリント自体の光沢感は特に劣るものではありません。

鮮やかさはPM-980Cと比較して、甲乙つけがたいです。ぱっと見では、わずかにPM-980Cのほうが好ましく感じますが、やや緑と青みが強いようにも思います。
粒状感は、明らかにPM-980Cのほうが少ないです。
顔料系プリンタらしく、色が安定していて、出力後の変化も殆ど感じないのは利点です。PM-980Cは、それこそ1日置かないと、色が落ち着きません。
では両者のプリントを比較してみましょう。
先日サイパンでNikon D5000撮影した、RAW画像です。なお、Adobe RGBとなっています。
スキャナはEPSON GT-X750、Adobe RGBにてスキャン、スキャン設定は全て統一しています。
A4用紙(フジの画彩)にプリントし、400dpiでスキャンしました。

元画像(2048x1359に縮小)
元画像 Nikon D5000 RAW現像しJPG化(2048x1359に縮小)

PX-G5300(A4スキャン)
PX-G5300にてプリントしたものをスキャン(スキャン後画像縮小)

PM-980C(A4スキャン)
PM-980Cにてプリントしたものをスキャン(スキャン後画像縮小)


両者とも、元画像より青みが増していますね。これはスキャナの癖も若干入っていますので、何とも言いがたいです。
PM-980Cの方や少し青みが強いですね。

PX-G5300(等倍切り出し)
PX-G5300にてプリントした画像の等倍切り出し

PM-980C(等倍切り出し)
PM-980Cにてプリントした画像の等倍切り出し

粒状感は明らかに違いますね。ここは染料系インクのPM-980Cに軍配が上がります。
シャドーの出方も、PX-G5300は沈んでしまっていますが、逆にPM-980Cは、木の葉は頑張って描画した結果、不自然になっています。
また、ハイライトでは木の幹が、G5300は階調が出ていますが、980Cはやや飛び気味です。


このプリントのように、夕焼けなど鮮やかな表現は、全体的にPM-980Cのほうが好ましく感じることが多いでしょうね。
ただ、シャドーが多い廃墟の写真は、シャドーの階調が出ないPM-980Cに対し、階調がよく出ているのがPX-G5300です。

別の写真だとまた印象が変わってきますので、そのうち比較してみたいと思います。

そうそう、年賀状の季節担になって来ましたが、写真用年賀状は、顔料系プリンタが使用できないのです。
というわけで、来年の年賀状の裏面は、まだまだPM-980Cの出番です。
場所をとるけど、しばらくはプリンタ2台体制です。何しろ、PM-980Cは大量に予備インクを確保しているので。