【千葉遺構撮影ツアー】旧陸軍技術研究所富津試験場跡12019年08月15日 06時34分

本来の最初の目的地だったはずの、旧陸軍技術研究所富津試験場跡(通称富津試験場)。

富津岬は何度か行ったことのある場所でしたが、富津試験場の遺構は、存在は知っていたものの、なにか地味な存在な感じがしてスルーしていたのですが、せっかくの後輩のリクエストなので、行ってみることに。

富津公園から

この時点では、まだ現地は晴れていましたが、遠くには黒い雲が迫ってきている状態。
実際、ここまで歩いていて急に小雨が降り出したりと、不安定な気候。ちょっと雨が降って急に晴れたりするので、気温も下がらないどころか、湿度も急上昇して、不快指数も急上昇。汗ダラダラです。

中の島展望台は封鎖中

富津公園の中央にある池の中に、砲台跡があります。
先に砲台跡のある島の頂上に行くと。展望台は落下物ありとのことで閉鎖中でした。

観測壕

最初に目についたのは、円弧状の石垣。これは観測壕だそうです。

富津元州堡塁砲台跡

富津元州堡塁砲台跡と称されている場所ですが、古いコンクリートのこの場所に砲台があったわけではなく、実際はこの写真の左側似あったようです。
奥に行くと…

拓魂?

「拓魂」というプレートが貼られていますが、これは後に付け加えられたもので、元々は射撃方位盤か何かが載っていたと思われます。

観測所だったところ

観測所だったところ

この階段のある部分は、コンクリートで塞がれていてなんだかよくわかりませんが、観測所があったそうです。

地元函館だと、函館山にあった砲台跡や壕なんかは、説明の看板が立っていたりするのですが、この場所には一切そういったものはなく、なんのために保存しているのかわからなくなってしまいます。

弾薬庫の穴が

階段を降ると、ぽっかり穴が空いている場所があります。

弾薬庫入り口

この穴は高さがあまりなく、屈まないと中には入れません。
戦時中の日本人成人男子の平均身長は160cm程度だったようですが、それを考慮しても、やっぱり低いです。

弾薬庫の中の様子

中に入ってみると、美しいレンガの壁で作られた弾薬庫内は、それほど広くもなく、砲台跡付近にも弾薬庫があることから、ここはあまり口径の大きくない砲弾用か、一時的な置き場所だったのかもしれません。
中央上部の穴は、塞がれていますが、伝声管があったようです。

弾薬庫の通風孔

通風孔らしきものが、雑草の生い茂った中にありました。
この下に弾薬庫があると推測しますが、なにせ夏の盛り、雑草が大量に背が高く生い茂っていて、全体像がわからない状況。
他の方の昔のブログを見ると、ここは埋まらず根本まではっきり見えていたので、やはり真夏のこの手の撮影は、草木も生い茂り、虫も飛び交う状況ですから、本来は避けるべきなんですよね。

廃墟撮影は、いつもツアーを組む場合はGW期間中にやっていたのも、気温もそうですが雑草や虫を避けるためでもあります。
春秋くらいがちょうどよいですね。

弾薬庫跡と砲台跡は草木に埋もれていた

天気が微妙、雲が来たり晴れたりの繰り返しです。
上の写真は、まさに夏の盛りの伸びた雑草に埋もれてしまった、弾薬庫と砲台跡。
もう何がなんだかわかりませんし、案内板もないので、後10年もしたら、ここがなんだかわからなくなってしまうのでは?


観測壕クローズアップ

移動します。
別の観測壕をクローズアップ。この時代のコンクリートに多い、大粒の砂利を混入させたもの。風化してきて穴が開いています。

大池をまたぐ橋

大池をまたぐ橋

池をまたぐ橋は、なんとも古めかしい感じで、これも戦時中に作られたものなのか?
建造年を示すものは見つけられませんでした。

では橋を渡って富津元州堡塁砲台跡を後にします。

公園内には様々な試験場遺構が残されています。
次に行ったのは…

射入窖

筒状の建物は、「射入窖」(しゃにゅうこう)という、機関銃や小銃などの射撃試験をするところです。

射入窖入り口

雑草や蜘蛛の巣をかき分けて、なんとか入り口?にたどり着きました。

地面には砂が

中は、上面のコンクリートが腐食しているのか、まるで素掘りをしたかのようなガタガタ具合。
地面に砂がありますが、これは後から混入したのではなく、跳弾を防ぐためのようです。

玉砂利を含んだコンクリート

天井は玉砂利を多く含んだコンクリートがボロボロに風化している様子。
中心に穴があり、何かを通していたのでしょうか?

1952

壁に掘られた「1952」は、戦後のイタズラでしょうか?

鍾乳石

小さな鍾乳石ができていました。
戦後74年ですが、この鍾乳石は年数に対して小さく、この射入窖に使われているコンクリートに含まれる石灰成分があまり多くないのかな?
頑丈に作られているのか、水分の浸透が少ないからなのか、よくわかりませんが。

出口を望む

これだけ生い茂っているんですよ…

今の時代、スマホがあれば、GPSで簡単に場所がわかります。
GPSがついていたガラケーの時代は、いくら緯度経度がわかっても、地図がダメダメだったので、参考程度にしかならなかったけど、今ならかなり精度よく場所を見つけられるはず…
ですが、真夏、草が生い茂って場所がわからない。
散々歩き回った挙げ句、この場所の監的所は…

草に埋もれた監的所

草に埋もれて到達不可能。
これは冬から春にかけてじゃないと無理じゃないかな。

このあと、公園の外にある監的所を目指しました。
続く…