74式戦車G型(改修)2018年10月28日 08時08分

10月8日の陸上自衛隊観閲式予行が終わった後、少し展示を見てきたのですが、そこに衝撃的な1台、いや1両がありました。

74式戦車G型

今年の観閲式の観閲走行にはついに登場しなかった74式戦車。
2018年度中にいくつかの戦車大隊が廃止の予定となっていて、少し前まで一番数が多かった74式戦車も、ついに90式戦車よりも少なくなり、退役が迫っています。

ところで、展示のみだった74式戦車ですが、あれれ? 何か違うぞ? となりまして。

赤外線ライトではないものを装着

74式戦車の特徴である、アクティブ型赤外線暗視装置の大きな箱ではなく、それよりやや小型化した箱が装着されていました。
これはもしや…

74式戦車(改修)74(改)

ビンゴ! 裏手の銘板には、74式戦車(改修) 形式:74(改) 改造年月:1995年3月と書かれています。
改修車はわずか4両しかない、希少な74式戦車G型です。
この頃には90式戦車の量産が始まっており、恐らく74式戦車の改修費用より、90式戦車の調達が優先されたのでしょう。
陸上自衛隊の予算が冷遇される傾向は昔からありましたが、改修が進んでいれば、今でもそれなりの戦力にはなったはずです。

74式戦車G型クローズアップ

見よ! この戦車らしいスタイルを。
105mmライフル砲の右側にはアクティブ式赤外線暗視装置のライトに変わって、90式戦車と同じパッシブ式暗視装置を搭載し、レーザー検知装置も追加されています。パッシブ式なので、相手方の赤外線暗視装置からも見れませんし、レーザー検知装置は、レーザー誘導ミサイルなど、レーザー誘導兵器に晒されていることを検知できます。
逆に言うと、通常のの74式戦車にはそういったものがないのです。
105mmライフル砲の砲弾は、そのまま16式機動戦闘車に使用できるとあって、16式機動戦闘車の配備が急速に進んでいます。
日本国内では、重量の面からも、重量級の90式戦車より、軽量化された10式戦車や、装輪で一般道も走行可能な16式機動戦闘車がもてはやされるのは当然なのでしょう。

通常型にはないレーザー検知装置


写真の右側にあるのがレーザー検知装置で、これは90式戦車や10式戦車にも搭載されているものです。

この74式戦車G型は、第1機甲教育隊にのみ配備されているそうですが、今年度をもって解隊予定で、それを持ってこの戦車も運用終了となるようです。
つまり、今年の観閲式での展示が最後となってしまいました。

この74式(改)は、退役後もぜひどこかで展示してほしいですね。