Capture NX-Dにカラーポイントコントロールが復活!2018年09月15日 06時53分


Capture NX-D

Nikon純正のRAW現像ソフト、Capture NX-DのVer1.50から、カラーコントロールポイントが復活しました!

カラーコントロールポイントが復活したCapture NX-D


●カラーコントロールポイントとは?

Nikonは、かつて有料のRAW現像ソフト、Capture NXやCapture NX2を販売しており、それにはU Pointテクノロジーという機能が搭載されていて、その中の機能の1つがカラーコントロールポイントでした。

これは、一般的なレタッチソフトと違い、一部の色をピックアップし、その適用範囲を決めて、自由に色修正が可能になる機能です。
例えば、青い空の青だけを強調したい、と思って青の彩度を上げても、画像全体が青みがかってしまうことになります。
カラーコントロールポイントは、調整したいカラーのみを選択して変更できるため、他の調整したくない箇所には影響せずに仕上げることが可能です。
逆光で暗くなってしまった人の顔を明るくしたり、人物以外の背景を暗くしたりと、とにかく様々な調整が可能で、当時からCanonはRAW現像ソフトは無料でしたが、Nikonは有料であっても、付加価値のあるRAW現像ソフトを提供していました。


●Nik Softwareが開発した技術

この技術は、Nikonが独自開発したわけではなく、他社のライセンスを購入してCapture NX/NX2に組み込んでいたようです。
この技術を開発したのが、Nik Softwareで、Photoshop用のプラグインとして販売していたり、NikonもCapture NX用に更に機能を追加するnik Color Efex Proを販売していました。

非常に便利なツールで、デジタル写真時代にふさわしいツールと言えましたが、2012年9月に、Nik SoftwareはGoogleに買収されました。
この影響もあってか、Nikonは当時販売していたCapture NX2にU Pointテクノロジーを搭載することができなくなってしまったようです。真相は定かではないですが、GoogleがNik Softwareのライセンスを外部に出さない方針としたのかもしれません。

Capture NX2は、2014年4月に公開のVer2.4.7をもって更新を終了し、Nikonは無料化した後継のRAW現像ソフト、Capture NX-Dを発表しました。
Capture NX-Dは国産RAW現像ソフト、市川ソフトのSILKYPIXベースと言われており、実際にインターフェイスも似たような感じとなっています。

しかし、発表当時のCapture NX-DはCapture NX2の充実した編集機能がごっそりなくなっていて、Nikonユーザーからは相当の不満が出ていました。当時の私のブログを見ても、ユーザー要望(当時)を見ると、なかなかひどいなぁと改めて思いました(笑

その後、Capture NX-Dは、まずゴミ取り機能を復活させるなど、機能も徐々に増えてき、安定性も増してきました。
ただ、現状でもCapture NX2と比較して、レタッチ機能は少なく、今でもCaputure NX2を使っている人も多いようです。
Capture NX2は更新が止まっているため、最近のカメラのRAWデータには当然非対応ですが、TIFF形式にすればU Pointは使えるため、TIFFに変換してからCapture NX2に渡して編集する人もいるようです。


●GoogleがNik Collectionを無料配信→Nik SoftwareをDxOに売却

Nik Softwareを買収したGoogleは、Nikが販売していたU Pointテクノロジーを搭載したNik Collectionを有償販売しましたが、2016年3月には、無償提供に切り替えると発表、買うと当初ン万円したソフトが無料化とあって、私も当然ダウンロード、Photoshopのプラグインとして今でも使用しています。
しかし、Googleは2017年5月には、Nik Collectionの更新を終了すると発表、同年10月にはNik Softwareを画像編集ソフトのDxO Labに売却すると発表しました。

そのDxO Labは、2018年3月に破産申請し、日本で言う会社更生法に基づいた企業再建を目指し、Nik Softwareの行末も心配されていました。しかしNik Collectionは現状も販売され続けていて、お値段も日本では\8,988(ブログ執筆時点)とかつてのNikやGoogleの有償販売よりは安く販売されています。


●GoogleからDxOに売却されたことで、外部ライセンスを再び使えるようになった?

今回、Capture NX-Dで再びカラーコントロールポイントが搭載されたことについては、Yamaroの想像ですが、恐らくNik SoftwareがGoogleからDxOに売却されたことで、DxOがNik Collectionの機能を外部にライセンスすることを許可したのではないかと思います。
DxO Labは、先に記載したように、破産申請するほど会社の業績は悪化していたわけで、Nik Softwareの技術を再び外部ライセンスとして出すことで、利益を得ようとしたのではないかと思います。
一方のNikonも、かつてNik Softwareの技術をライセンスしていて、9月25日に発売される人型フルサイズミラーレス、Z 7に合わせてRAW現像ソフトも改良するため、目玉の1つとしたのではないでしょうか?

今回はカラーコントロールポイントのみで、かつてCapture NX/NX2にあった「ブラックコントロールポイント」「ホワイトコントロールポイント」「ニュートラルコントロールポイント」「赤目補正」は搭載されていないですが、一番使用頻度が高いと思われるカラーコントロールポイントが搭載されたことは、素直に評価したいところです。


■では使ってみましょう!

ちょっと熱くなって、背景を長々と書いてしまいましたが、早速使ってみましょう。
下の画像は、我家のベランダから撮影した朝焼けです。

風景撮って出しの画像

RAWで撮ったものを、撮って出ししたもので、ホワイトバランスはAUTO1です。
見た目よりも朝焼け感がなくなってしまいました。
これは、ホワイトバランスを「自然光オート」にするだけでも、だいぶ見た目に近い感じになりますが、ここでカラーコントロールポイントを早速使ってみましょう。

カラーコントロールポイントを適用

右上の雲に朝陽が当たり、オレンジ色になっていますが、そこのオレンジ部分の彩度を上げて強調、赤みも少し増したかったので、赤も少し強調してみました。
一方左下辺りの空は、少しだけ明るさを落とすと共に、空の青をわずかに強調。

カラーコントロールポイントは、どのカラーがどの範囲で適用されるかを確認することが可能です。
朝焼けのオレンジがその程度反映されているか確認すると…

カラーコントロールポイントの適用範囲

このようにモノクロで、適用範囲が白くなるように表示できるので、どの色をどの範囲で調整したいかがわかります。

カラーコントロールポイントで調整後

これはちょっとわかりやすく調整したものなので、如何にも強調しました、という仕上がりですが、もちろんやり方次第では、不自然にならずに仕上げられます。むしろ、調整したかわからないように仕上げるのが好みですね。

今回、カラーコントロールポイントが搭載されたことで、まだCapture NX2にあって、Capture NX-Dにない機能が今後搭載されることを期待したいですね。


なお、今回のCapture NX-D Ver1.5.0では、Nikon Z 7やCOOLPIX P1000に対応したほか、クリエイティブピクチャーコントロール、ミドルレンジシャープの調整機能追加、Z 7から搭載される回折補正への対応も追加されています。

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