日本酒の価値観が変わるお店 ― 2018年08月30日 06時28分
先日、都内に出張があり、その帰りに、同僚と共に外苑前の居酒屋をチョイスし、行ってきました。
メニューの日本酒は見たことのない銘柄が多い。
まずは冷酒の飲み比べをいただきます。左の酉与右衛門(よえもん)が華やかで好みかな、と思いきや、少し温度が上がると淡麗と思えていた他の2つもフッと甘みが出てきて、そんなところが日本酒の面白さです。
場所柄、単価は高く、食べ物はつまみ系を中心に、飲みに徹しました。
どれも酒によく合いました。
このお店は、燗酒を推しているそうで、夏ですが燗酒をいただきました。
蔵元の娘さんのるみ子さんが、漫画「夏子の酒」(後にテレビドラマ化)のファンだったことで、夏子の酒の作者がラベルイラストを書いたという「るみ子の酒」。
普段純米吟醸酒を好み、あまり燗酒には縁がなかったのですが、これを飲んで価値観が変わりました。
よくある安居酒屋の燗酒の、あの独特の鼻につく醸造アルコールのきつさを想像したら、良い意味で裏切られました。
もちろん純米酒なので醸造アルコールは入っていないとして、変に鼻につく感じがなく、甘みがしっかり、それでいてどっしり。
燗酒も、ちゃんとそれに合うものは旨い!
酉与右衛門 純米無濾過 亀の尾は、豊かな酸味があり、酸味好きのYamaroの好みのお酒。酸味の次に甘みと辛さが程よく来るので、後味はスッキリしています。こちらも燗酒でいただきました。これは燗でも冷でも美味そう。
燗酒のうまさに驚き、同僚と日本酒談義が進んでいると、お店のマスターが「お客さん日本酒詳しそうなので、よかったら」と出してきたお酒がこちら。
舞美人 山廃純米 酒粕再発酵酒です。
酒粕再発酵!? そしてまるで古酒かのような琥珀色。瓶の中では大きな澱が舞っている!
一口飲むと、それは日本酒とは思えないほどの濃厚な甘みが襲ってきます。そしてその後程よい酸味。辛さは感じません、というか圧倒的甘み。
例えようがないですが、ワインで言う貴腐ワインに似た感触です。貴腐ワインほどの濃厚な甘さはないけど、米の甘みがぐっと凝縮しています。
お酒を絞った後の酒粕、ここの酒蔵では弱く絞るのでそれなりに水分が残っているようで、その酒粕を2年程度寝かせた後、タンクに放り込むのだそうです。えええ!?
そしてそのタンク内で再発酵が始まり、その上澄みを救ったのがこのお酒。
取れる量が少なく、国内では一升瓶で18本程度しか取れないのだそうで、そのうちの2本がこのお店にあるとのこと。
いやぁ絶対買えない希少なお酒を飲ませていただきました。
一見さんでこんなお酒出していいの?
とにかく貴重な体験でした。燗酒といい、酒粕再発酵酒といい、日本酒の概念が変わった1日でした。
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