Nikon AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR の開発発表2018年06月15日 06時11分

Nikon AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VRになるかもしれない光学断面図の特許

6月14日、Nikonより、FXフォーマットの単焦点望遠レンズAF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VRの開発が発表されました。

型式にあるように、PF=Phase Fresnel(位相フレネル)レンズを採用した、かなりコンパクトなレンズになると予想されます。

Nikonの単焦点望遠レンズで500mmのものは、AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VRが存在しますが、このクラスの望遠レンズは非常に大きく重く、そして高価です。

このレンズは、約140mm(最大径)×387mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)、重量約3,090gです。値段だけでなく、この大きさと重さともなると、ユーザーは限られます。

そこで、PFレンズの登場です。位相フレネルレンズを採用したレンズは、NikonではAF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VRが発売されています。

 

300mm f/4の場合、従来のAI AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-EDが全長222.5mm、重量1,300g(三脚座を外した場合)なのに対し、PFレンズ採用の新型では、全長147.5mm、重量755gと、かなりコンパクトです。

PFレンズの欠点は、PFフレアと呼ばれる、強い光源が入った際のフレアですが、これは鉄道やモータースポーツなどでヘッドライトが入る条件、あるいは太陽光などの入る条件などで、一般的なレンズよりフレアが発生しやすくなりますが、ほとんどの条件ではあまり気にならないそうです。詳細は、デジカメwatchの記事にも書かれていますので参考に。


さて、Nikonから発表された500mm f/5.6のPFレンズですが、従来AFレンズではなかったスペックゆえ、サイズが気になります。
実は、2018年2月に、NikonのPFレンズに関する特許が公開されていて、400mm f/5.6 ,500mm f/5.6, 600mm f/5.6の3種類のレンズが掲載されています

トップの画像は、そのうちの500mm f/5.6となるであろうレンズの光学断面図の1つになります。
2種類公開されていて、スペックは似た感じです。

[全体諸元]f    = 489.60699FNo=   5.77358ω    =   2.50102TL  = 280.00477
[全体諸元]f    = 489.86648FNo=   5.88304ω    =   2.51193TL  = 279.31858

これを見ると、TL=280 、つまり全長が約280mmです。レンズフードや外装は考慮していない数値なので、実際製品になる際は、もう少し長くなるかもしれませんが、AF-S 500mm f/4Eと比較すると10cm程度短くなります。たった10cmと思うかもしれませんが、太さも変わってきますので、全体としての重量は1,500~2,000g程度になるのではないかと予想します。

お値段はどの程度になるか?

AF-S 500mm f/4Eが実売100万円近い値段ですから、PFの場合は実売40万円前後になるのではないかと予想します。


個人的には、600mmのPFも欲しいですが、値段やサイズを考えると500mmがバランスが良かったのでしょうね。
500mmレンズの場合、飛行機界隈ではX1.4程度のテレコンと組み合わせて画角調整する方が多いです。ただ、それはf/4という明るいレンズだからこそで、f/5.6の場合、x1.4テレコンをつけると、実質開放f値はf/8なので、そうなるとファインダも相当暗くなりますし、AFもf/8対応センサの領域は極めて狭い、または使えないことになります。

このあたりが悩みどころで、テレコンも考慮すると、やはりf/4クラスのレンズは外せないんですよね。悩ましいです。