EL-NIKKORレンズをFマウントカメラに装着する12018年05月29日 06時16分

以前手に入れた、EL-NIKKORレンズ2本、80mm F5.6と50mm F4、この2本をFマウントカメラに装着するのが今回のお話です。

80mmレンズを中心に検討すると、一番手っ取り早いのは、TOMYTECのBORGのアダプタを使用することです。
以前も書きましたが、BORGのHPに、EL NIKKORの合焦表があります。

これによれば、EL-NIKKOR 80mm F5.6は、D300にて、以下の組合せで2m~無限遠でフォーカシング出来るようです。
なお、EL-NIKKOR 50mm F4は、どの組合せでも20cm前後でしかフォーカスが合わないようで、もっとフランジバックの短いミラーレス機なら使えるようです。
50mmは、どちらかというとベローズとかと組み合わせてマクロ撮影向きですかね。

◆カメラマウントニコン用【5003】 http://www.tomytec.co.jp/borg/products/partsDetail/summary/180

  

◆M42P1→M49.8AD【7843】 http://www.tomytec.co.jp/borg/products/helicoidDetail/summary/47

  

◆M42ヘリコイドS【7840】 http://www.tomytec.co.jp/borg/products/helicoidDetail/summary/44

  

◆M42P1→M39AD【7844】 http://www.tomytec.co.jp/borg/products/helicoidDetail/summary/48

  

しかし、やたらと変換が多い…。そして全体で2万円以上かかります。お高いですね。
まず、カメラマウントニコン用【5003】は、FマウントのカメラにBORGの望遠鏡を取り付けるためのものなので、ネジ径がM49.8と特殊です。
それをM42スクリューマウントに変換するのが、M42P1→M49.8AD【7843】です。
ヘリコイドは、フォーカシング機構のないELニッコールでフォーカスすために、レンズを前後に移動させるためのものです。
そしてEL NIKKORなど引き伸ばし機レンズ全般にライカLマウントが用いられているため、M42からM39(L39)に変換するためのものが、M42P1→M39AD【7844】です。

元々引き伸ばしレンズを取り付けるための専用システムではないため、あれこれアダプタを噛ませるのは仕方ないわけですが、もう少しシンプルに出来ないかなと思い、調べてみました。

BORGでヘリコイドSを用いて組んだ場合、光路長は、

 【5003】8mm
 【7843】1.5mm
 【7840】11~17mm
 【7844】1.5mm

となるので、全体では22~28mmとなります。
つまり、これとほぼ同じになる組合せであれば、良いわけです。

Amazonを見てみました。

◆Pixco M39 M42レンズ焦点調整式ヘリコイドマクロチューブアダプター 12mm-19mm

  

あるものです。BORGより安価なヘリコイドアダプタです。
しかも、M42→M39に変換するアダプタも付属しているようです。

◆Beschoi マウントアダプター M42-Nikon M42マウントレンズ- ニコン Nikon Fマウントボディ対応レンズアダプター レンズマウントアダプター 高精度

  

こちらは、M42からFマウントに変換するアダプタです。
通常、フランジバックの関係で、M42マウントレンズ(FB:45.46mm)をFマウント(FB:46.5mm)に変換すると無限遠が出ないため、アダプタによっては補正レンズが入っているものもあります。
しかし、今回は補正は不要なので、補正レンズ無しのシンプルなものを選択してみました。
この手の薄いアダプタは、一度嵌めると取れない…というトラブルもあるのですが、ボディに着脱さえできれば、なんとかなるでしょう。
薄いので、普通にM42レンズを装着すると、レンズによっては後玉とミラーが干渉する危険性も考えられるため、注意が必要です。もちろん、今回のような使い方では問題はありません。

上記2つの組合せでは、M42-Fマウントアダプタの光路長が、写真から推察するに、せいぜい1.5~2mm程度なので、全体としては約14~21mmになってしまいます。これではピントが合わないと思われるので、中間リングを用いて、光路長を稼ぐ手段に出ます。


◆Nikon PK-11

手持ちの中間リングで最も薄い8mmのPK-11(現行品はPK-11A)を入れることで、光路長は約22~29mmとなります。これでBORGで組んだ場合とほぼ同じになるはずです。

   ←こちらは現行品のPK-11A

余談ですが、以前に中古で手に入れたPK-11、現行品のPK-11Aとの違いは、CPUレンズに対応するか否かです。
PK-11は、信号接点に接触するため全てのCPU内蔵レンズは装着不可です。PK-11Aは、CPUレンズのうち、AF-I/AF-S/AF-PのようなAFモータ内蔵レンズ以外のレンズが使用可能となりました。
ただ、現行のAFレンズは、殆どがAF-SかAF-Pとなっているので、PK-11Aも使用できないレンズがほとんどです。
最も、PK-11/11Aは中間リングでも最も薄いため、これ単体で本来の撮影倍率アップの使い方では効果が薄いためにあまり使い道はなく、他の中間リングやベローズその他との組合せで使うことになるかと思います。

さて、定番のBORGをあえて使用しない(金銭的な理由もあります)という組合せ、果たしてうまくいくか、次回乞うご期待(笑