AI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8Dを入手 ― 2018年04月27日 05時39分
かつてのNikonはFisheye、つまり魚眼レンズ天国だったことは、Nikonファンならご存知かと思います。
あまりの大きさに装着するとカメラ本体が隠れてしまう、220°もの画角を持つ特殊なFisheye-Nikkor Auto 6mm f/2.8を始め、7.5mm~16mmまでの複数種類の魚眼レンズをラインアップしていました。
それらは当時、天体観測などの学術的な用途でも多用されたそうで、元々一般写真向けと言うよりは、研究・学術的用途が主力だったようです。それを一般写真用にしたものが、今よく見る魚眼写真が撮影できる対角線魚眼レンズです。
正射影方式(Orthographic Projection )のOP Fisheye-Nikkor 10mm f/5.6のようなレンズも存在していました。
ちなみに、正射影方式と等距離射影方式の違いは、ニッコール千夜一夜物語で解説されています。
しかし魚眼レンズのうち特殊なものは、数が出なかったためか、あるいは学術的用途での使用が少なくなったためか淘汰され、今では一般写真向けの少し変わったレンズとしての位置付けとなりました。
Nikonも、次第にラインアップを縮小し、2種類程度しかラインアップしない時代も長く続きました。
AI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8Dは1992年11月発売ですから、Nikonのフィルム・フルサイズ用単焦点魚眼レンズとしては、現時点でも最新であり、唯一の現行品となっています。
その後、デジタルの時代となり、2003年には、初めてのDXフォーマット用であるAF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G EDが発売されましたが、このレンズ絞りリングのないGタイプのDXフォーマット用でありながら、AF-S(超音波モーター)を搭載しない唯一のDXレンズのため、現行DXフォーマット機では、D500を除き、AFが使用できないレンズとなっています。
その後十数年、新しい魚眼レンズは発表されることなく、Nikonの中でも存在感が薄くなりつつあったのは否定できません。
2017年に、待望のフルサイズ用の魚眼レンズ、Nikonでは初となる魚眼ズームである、AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E EDが発売され、フルサイズ機では1本で円周魚眼と対角線魚眼を楽しめるレンズとなりました。DXフォーマットでも対角線魚眼レンズとして楽しめ、このズームが、実質的にAIAF 16mmやAF DX10.5mmの後継レンズと言えるでしょう。
さて話はそれましたが、Yamaroはマイクロフォーサーズ用に、安価なMFのSAMYANGの7.5mm F3.5 FISH-EYEも持っていますが、やはりフルサイズ機での魚眼撮影をしてみたく導入したAI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D、例によってオークションでしたが、出品した業者が出品カテゴリを間違えたためか、相場の半額近いお値段だったのにもかかわらず、誰からも入札がなく、即決だったためあっさり落札できました。
動作未確認とのことでしたが、AFもCPUも問題なく動作、光学系も大きなカビや曇り、埃もなく、外装も当時のNikonの中上級レンズらしく高級感のある仕上げです。
また、中古の同レンズでは割と欠品が多い、マウント側に付けるフィルタ(L37C、O56、A2、B2)も付属しています。もっとも、これらのフィルタはデジタル全盛の現代においては、あまり重要ではありませんが…。
Nikonの現行魚眼レンズの比較表を載せておきます。
スミマセン、どうしても表の幅を狭められず、右のメニューにかぶってしまいました。見づらいですがご勘弁を。
ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-Sレンズ | ニコンFマウントCPU内蔵Gタイプ、AF DXレンズ | ニコンFマウントCPU内蔵Dタイプ、AFレンズ | |
焦点距離 |
8mm-15mm
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10.5mm
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16mm
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最大口径比 |
1:3.5-4.5
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1:2.8
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1:2.8
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レンズ構成 |
13群15枚(EDレンズ3枚、非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり、フッ素コートあり)
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7群10枚(EDガラス1枚)
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5群8枚
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画角 |
180°00′-175°00′(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
180°00′-110°00′(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) |
180°(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
FXフォーマット/35mm判換算:16mm対角線魚眼レンズの画角に相当 |
180°(35mm判一眼レフカメラ、FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
107°(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) |
焦点距離目盛 |
8、10、12、14、15mm(DX指標:約11mm)
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-
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-
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射影方式 |
等立体角射影方式
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等立体角射影方式
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-
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撮影距離情報 |
カメラへの撮影距離情報を出力可能
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カメラへの撮影距離情報を出力可能
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カメラへの撮影距離情報を出力可能
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ズーミング |
ズームリングによる回転式
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-
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-
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ピント合わせ |
IF(ニコン内焦)方式、超音波モーターによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス可能
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フォーカスリングによる回転式
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-
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撮影距離目盛 |
∞~0.16m
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∞~0.14m、0.46ft(併記)(近距離補正方式)
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∞~0.25m、1ft(併記)
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最短撮影距離 |
0.16m(ズーム全域)
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0.14m
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0.25m
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最大撮影倍率 |
0.34倍
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0.2倍
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0.09倍
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絞り羽根枚数 |
7枚(円形絞り)
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7枚(円形絞り)
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7枚
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絞り方式 |
電磁絞りによる自動絞り
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自動絞り
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自動絞り
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最大絞り |
・焦点距離8mm時:f/3.5
・焦点距離15mm時:f/4.5 |
f/2.8
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f/2.8
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最小絞り |
・焦点距離8mm時:f/22
・焦点距離15mm時:f/29 |
f/22
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f/22
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測光方式 |
開放測光
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開放測光
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開放測光
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フィルター枠 |
レンズ後部に装備
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レンズ後部に装備
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L37C、O56、A2、B2(後部バヨネット交換式)
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マウントアダプターFT1適否 |
AF駆動可
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MF
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MF
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寸法 |
約77.5mm(最大径)×83.0mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
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約63mm(最大径)×62.5mm(バヨネットマウント基準面からレンズ先端まで)
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約63mm(最大径)×57mm(長さ:バヨネット基準面からレンズ先端まで)、全長約68mm
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質量 |
約485g
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約305g
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約290g
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付属品 |
・かぶせ式レンズキャップ LC-K102
・裏ぶた LF-4 ・バヨネットフード HB-80 ・レンズケース CL-1218 |
・専用レンズキャップ
・裏ぶた LF-1 ・ソフトケース CL-0715 |
・専用レンズキャップ
・裏ぶた LF-1 ・バヨネットフィルター L37C、A2、B2、O56 ・フィルターケース CA-2 |
表を見て今気づきましたが、AF-S 8-15mmとDX 10.5mmは、等立体角射影方式なんですね。AI AF16mmは記載がありませんが、等距離射影方式なのでしょうか?
また、ズームのAF-S 8-15mmは、8mmにしたからと言って画角が大きくなるわけではなく、175~180°です。円周魚眼~対角線魚眼へと、シームレスに変化できるのが特徴です。
最大撮影倍率が、新しいほど大きく、最も古いAI AF16mmは0.09倍、最短撮影距離も魚眼としてはあまり寄れない0.25mです。
レンズ構成も、AI AF16mmが最もシンプルですね。
実写画像はまたの機会に。
ちなみに、魚眼レンズ、という名称を名乗ったレンズは、Nikonの前身である日本光学だそうです。
http://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0053/index.html
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