CP+ OLYMPUS E-M1 MarkIIは確かに凄かったが2017年03月05日 06時45分

もはやCP+の忘却録みたいになってきましたが、中古カメラ市やNikonブースののカメラマンのセミナーを見て、夜は予定がありすっかり時間がなくなってしまいました。
OLYMPUSのブースは、やはりユーザーでもあり、E-M1IIも気になっていたので、見てきました。

あれ、ブースの写真撮ってないや(苦笑

E-M1IIの試写コーナーは、ブース内でダンスやバスケットボールなど動きの激しいパフォーマンスをする方々を撮ることが出来、嬉しいことに自分の持ってきたSDカードを展示のE-M1IIに差し込んでデータを持ち帰れるのです。Nikonさんよ、こういうのをやらないとダメだよ。被写体を用意しないと。

E-M1II、確かに噂通り凄いカメラでした。連写だけ見れば、AF追従を含めて、NikonやCanonの上級一眼レフに並びそうとは言わないまでも、届きそうな勢いです。もちろん、センササイズなりに被写界深度が深く、フルサイズ一眼レフよりピントの条件が若干緩いのもあるかと思いますが、これだけ連写が速く、AFも正確なら、より小型なカメラで連写撮影に挑めます。一眼レフでは重くて…というユーザーには良いカメラです。
なにせボディサイズはマイクロフォーサーズでは大きめですが、エントリークラスの一眼レフ程度です。レンズも明るいレンズが比較的コンパクトです。

E-M1II連写1
この写真はフレーム固定で。何気にレンズが最新のM.ZUIKO 25mm F1.2でした。

ただ…んー、正直なところ、やはり動き物を追うのに、EVFでは、若干のズレが生じてしまいます。どうしても、自分の思い描く被写体の軌道と、被写体の位置がズレるんです。
いや、EVFだから、というよりは、表示の問題なんですよね。EVFのタイムラグ自体は、もはや大きな問題ではないかと思います。
それより、連写した際に、静止したコマがパラパラ漫画のように見えてしまう、これが問題です。

現代のCMOSイメージセンサでは、電子シャッターを使うと、ローリングシャッターによる俗に言うこんにゃく現象により、動きモノは像が歪む現象が発生してしまいます。
これがグローバルシャッターになれば、それが解決すると言われていますが、現時点ではこのこんにゃく現象があるため、ミラーレス一眼はエントリーモデルを除き、メカニカルシャッターを備えています。

メカニカルシャッターで連写する場合、必ずシャッターチャージ(シャッター羽を次の撮影に備えて元に戻す)が必要で、このシャッターチャージの一瞬、ミラーレスとは言えシャッターがセンサを遮るために、像がブラック・アウトします。
ブラック・アウトする時間はごく一瞬でも、次に像が写るときには被写体は移動していますし、EVFに表示されるのは動画ではなく「コマ」表示になるので、連写するとパラパラ漫画になります。
一眼レフの場合、確かにミラーの上げ下げで、ミラーがほぼ上がった状態で像が見えなくなる瞬間はあるものの、ミラーが完全に上がり下がりする途中の過程では、不完全ながらも、リアルタイムに動く被写体がファインダで確認できます。また、このミラーが下がる過程でシャッターチャージします。
つまり、ミラーレス機の場合、メカニカルシャッターを使い限り、構造上パラパラ漫画になってしまうのは仕方なく、これが動きモノ撮影でもう一歩と感じる部分です。
もちろん、連写スピードが上がったことで、E-M1 MarkIIはそういった違和感はだいぶ緩和されているのは確かです。

E-M1II連写2

今後、グローバルシャッターが一般的になり、連写時にメカニカルシャッターがなくてもこんにゃく現象が発生しなくなれば、その時が初めて、ミラーレス機の連写撮影が一眼レフを超えると思っています。
個人的には6Kや8K切り出しというのは、動画を撮る以上、動画のシャッタースピードとスチルのシャッタースピードは概念が違うものという認識で、もちろん8K切り出しのためだけに動画を撮る、というのなら、スチルの概念でシャッタースピードを決めればよいのですが、難しいところですね。

E-M1II連写3

もちろん、現時点で十分な性能、という人も多いでしょうから、そこは好みと言わざるを得ませんが、個人的には、E-M1IIは、正確なフレーミングができるかという点で、一眼レフのフラッグシップに追いついたとはまだまだ思えませんでした。
ただ、同じような値段のD500やEOS 7D2とは良い勝負になるかもしれません。動きモノでも余計なブレがピタッと止まる、E-M1IIの手ブレ補正の優秀さは、一眼レフ勢の手ブレ補正レンズ以上のものもあるからです。

D810,E-P5で撮った写真も載せておきます。
D810は、連写は遅いですが、被写体は確実にファインダの中央に入れることが出来ました。
隣の人がかぶっちゃいましたけどね…

D810連写1

D810連写2

ただ、フルサイズ時は絶対的に連写速度が遅いD810なので、連写撮影ならD810よりE-M1 MarkIIでしょうか。

E-P5は…連写しちゃいけないカメラでしたね。そもそもC-AFがダメダメです。
連写もそれほど速くない上に、全コマAFが追従しきれていませんでした。

E-P5連写


そんなわけで、ミラーレス機は確実に進化していて、一眼レフの優位性は確実に失われつつあると感じました。
一眼レフは相変わらず中上位機種では存在しうると思いますが、数年後にはエントリークラスの一眼レフの存在意義が問われる時が来ていると思います。