audio-technica AT-F7でいろんなレコードを聴いてみた2014年12月05日 23時37分

AT-F7で色々演奏してみた
師走だからというわけでもないですが、仕事も忙しく、ゆっくり音楽を聴く時間は少ない。
とはいえ、audio-technica AT-F7のエージングも兼ねて、ここ2日ばかりレコードをかけております。

結論から言うと、期待を裏切らない音でした。
F3シリーズの繊細な描写にプラスして、中低域の押し出しも、F3シリーズより良いです。

これまで使っていたAT-F3/IIは、MCカートリッジらしい繊細な音が出る面、中低域が薄く、迫力に欠けました。ロックには不向きですし、クラシックもオーケストラよりは管弦楽といった具合です。

AT-F7では、この中低域の薄さが改善されていますし、全体的に音に厚みが増しています。
音の密度がF3より濃いですね。
ただ、これはF3/IIとの比較であって、ほかと比べると少しまだ中低域が薄い気はします。
JAZZなんかは、手持ちのSHURE M111Eのほうが、繊細さは後退するも、押し出しの良さはありますね。


いくつか聴いてみたので感想をば。

●チャゲ&飛鳥「熱風」
ASKAが残念なことになったチャゲアスですが、大ヒットした「万里の河」を収録した、デビューから2枚目のこのアルバムは、初のオリコン1位を獲得。
まだ良い意味で、今で言うインディーズっぽさが残る楽曲も多く、改めて聴くと新鮮ですね。
AT-F7のキャラクターに良く合っていると思います。レンジが狭く感じるのは、元々このレコードがそんな音質のようです。CDでも同じように感じるので。
ASKAがいつか復活した際は、初期のアルバムもリマスターして出してほしいですね。
AT-F7の評価はほとんど書いてないや(汗


●中島みゆき「生きていてもいいですか」
中島みゆき屈指の暗~い楽曲名ぞろいのアルバム。この頃みゆきさんに何があったんでしょう?
1曲目からいきなり「うらみ・ます」だし。この「うらみ・ます」(今改めて気づいたが「うらみます」ではなく、途中に・が入るんですね)、これぞアナログ盤の真骨頂、まるで小さなライブハウスに来たかのよう、出だしからこんなにゾクッと来る楽曲はそうそうないです。
CD盤だと、ああデジタルだなという印象を受けるこの楽曲は、アナログ盤で聴くのが至極、と個人的に思うとります。
F3/IIでは、空間の描き方は良いけど、やや薄い印象を受けましたが、F7はしっかりと中低域も描けるので、よりライブハウスっぽいところで聴いているイメージです。途中に入る尺八の音がぐっと迫ってきます。これもF3/IIより強い印象。
ハイレゾ音源でも聴いてみたいですね。


●ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィル スメタナ「モルダウ」グラモフォン重量盤
学校の音楽の時間に聴く定番のやつです(笑
前半のゆったりした流れの表現から、中盤にかけて盛り上がっていく楽曲ですが、やはりF3/IIでは得られなかった音の厚みや奥行きが感じられます。ただ、もう少し重心が下がるとなおオケの表現が高まる気がしますが、このカートリッジは軽量な部類(そのわりに針圧は2gとそこそこある)なので、こんなものかもしれませんが。


●サザンオールスターズ「Sakura」アナログ盤
90年代後半から、サザンはニューアルバム発売の際は、、限定販売でアナログ盤も発売してきました。結構買っています。
CDも後から買っちゃうんですけどね。
1998年に予約して買ったものなので、盤の程度も当然ながら良いです。
AT-F3/IIでは、ロックは厳しかったわけですが、F7は押出の良さで、ロックも問題ありません。
前述で中低音がもう少しあれば…と書きましたが、このレコードでは十分出ています。ということは、古いLPでは相応に低音がカットされているということですね。
CDと遜色のない低音が出ていますし、CDとは違うぞ、アナログだぞ、と言わんばかりの滑らかかつ濃密な音を楽しめます。
新しい録音のLPは、非常に良いバランスで鳴ってくれました。



というわけで、常用カートリッジとしでガンガン使っていこうと思います。