SONY XBA-3SLレビュー2012年08月16日 23時51分

SONY XBA-3SL
出張から帰って参りました。

出張中、先日買ったXBA-3SLで色々なジャンルを聞いてみたので、早速レビューを。

初めてのバランスド・アーマチュア型イヤホン、エージングはダイナミック型ほどの変化はなかったですが、使い込むほどに硬さが取れてきましたね。
iPod touch第4世代によるレビューです。

まず邦楽。

●平原綾香…NOT A LOVE SONG

声の質感がなかなかよく、若干硬質ながら、帯域の広い平原綾香の声を余すところ無く描いています。声の伸びが良いです。
安いイヤホンだと、鼻が詰まったような歌い方に聞こえますが、本機はそういった面はなし。
張りがもう少しあればいいですね。


●山下達郎…僕らの夏の夢

邦楽界屈指の音に拘るアーティストですが、ベースの低音の質感が良いですね。もう少しボトムまで伸び切ればいいですが、量としては十分、というか若干多めかも。
やはり少し高音の硬さがありますが、これはなんとなくソニーのキャラクターに感じます。
90年代後半のソニーのCDプレーヤー、とりわけXA5ESあたりの高いけどつやがある高音、何となくそれを彷彿とさせます。


洋楽はというと…

●Billy Joel…The Stranger

冒頭の口笛は耳元で吹いているかのよう。
ピアノの音は少し軽めで、もう少し低音がほしい。演奏によって、低音が多めに感じたり少な目に感じたり、スピーカーで聞くのとは少し違った印象。
こちらもボーカルにもう少し張りがあればと思うけど、解像度や繊細さはよく出ています。


●Enya…And Winter Came...

同名のアルバムの1曲目なんですが…いや、これはもうこのイヤホンの得意ジャンルでした。
Enyaのボーカルの幾重にも重なるエコーが美しく、空間の広がりもなかなかです



JAZZはどうでしょう?

●Miles Davis…'Round Midnight

良い意味で裏切られました。
BA型イヤホンって、繊細さはあるけど迫力が…というイメージがありましたが、そんなことはなかったです。
トランペットはまるで耳元で演奏しているかのようで、その音のきつさすら感じてしまう。生の楽器を聞くと、意外とキツイ音も平気で出るけど、それに近いです。若干ピアノが後退している感じですが、録音のせいもあるのかな。


Classicも

●クラウディオ・アバド指揮:ムソルグスキー・展覧会の絵

このアルバムは、長年音質評価に使っている傑作。
このXBA-3SL、トランペットが得意なんですね。Milesと同じ印象、トランペットの迫力がよく出ていて、空間再現性も良いので、オケ全体が壮大に鳴り響きます。若干トランペットなどの管楽器に負けて、低域が引っ込む感じはあります、ここまで鳴れば上出来です。


使用感としては、懸念していたカナル型の耳栓の圧迫感は感じず、素材など進化しているのかなと感じました。
コードの長さが中途半端なのと、コネクタ部分の重量があって、クリップがほしいなと思いました。
ずっと開放型を使ってきたので、カナル型の本機の遮音性は十分、歩きながら使うには、これ以上遮音性があると危険と感じるくらいでした。


ジャンルも選ばないので、長く使えそうです。